【文豪ストレイドッグス】貴方の中に私がいるならそれで

遊園地デート ページ6

今日は、太宰さんが来てから初めての日曜日。休日だから、二人でデー…じゃなかった、お出かけに行くつもりだ。(もう、太宰さんの言い回しがうつっちゃったじゃん!)

朝４時に起きて準備も素早く終わらせ、早く行こう行こうと駄々をこね続けている太宰さん。久しぶりに外に出るのが嬉しいのは分かるのだけれど、眠くないのだろうか。
てか、あんたは犬か。

結局準備を終えて家を出たのは、午前10時。…太宰さん、お疲れ様です。


着いたのは、街の外れにある少し小さめの遊園地、「ユメユメランド」。小さい分人もあまり多くはないから、騒がしいのが苦手な私みたいな人にはうってつけの場所だ。

「私、遊園地に来るの初めて!ねぇねぇA、ジェットコースター乗ろう！」

「え、あ、うん…」

引っ張られるままに受付を終えてジェットコースターに乗る、が…
どーしよ、私、速いの無理…!

ガタン、ガタンと錆付いた車両がゆっくりと坂を登っていき…
「きゃああああああぁぁぁっっっっ!」

「わあああああああぁぁぁ♪」

思わず太宰さんにしがみつく私。うわ、太宰さんの余裕気な顔がウザい、けど…

怖ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!


「う〜ん、楽しかったねェ、A」

「…うえっぷ」

吐き気ー…

「大丈夫、A？何か軽めなのやろっか。ん〜と、じゃあ、あれとか。」

そこで太宰さんが指を指したのは━━━━コーヒーカップだった。


「ぎゃあああああああ、太宰さん、止めてええええええええ!!」

「これってこんなに回るんだ!!!!楽しいねェ!!」

「嫌あああああああああ!!!!!」

目が……目があああああああああっ!!回るううううううぅっ!!


その後、流石にやばくなった私の休憩も兼ねて昼食を挟み、メリーゴーランド、お化け屋敷、空中ブランコにゴーカートまで、様々なアトラクションを遊び倒した。

やがて空も茜色に染まってきた頃、最後に乗ったのは観覧車。お互いくたくただったから、ゆっくりするのにも丁度良い。それに、話したいこともあったし。

係員さんの誘導に従い、色あせた黄色い機体に乗る。
向かい合わせに座って窓の外を眺めるが、お互い、無言。まぁ今日は動き回ったし、仕方が無いだろう。

「あのさ、太宰さん。私の事なんだけど…」

機体が天辺に登った時、漸く私は口を開いた、が。

「すー、すー…」

寝てる…ま、この人朝からずっと動いてたしな…
なんか、もういいや。今日は。
今は太宰さんの寝顔を見詰めていられるだけで、満足だ。

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