検索窓
今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:14,779 hit

人間失格 ページ12

「君にぴったりの能力だ。」

うふふと笑う太宰さん。

てか、異能力持ちだったんだ。あ、そう云えば武装探偵社の人だったか。そりゃ持ってるよな〜…何で気付かなかったんだろ。

「何の異能?変幻?精神操作?それとも…」

「異能無効化だよ。人間失格って言うんだけどね。」

私の言葉を遮る様にして紡がれた、その言葉。
へぇ、人間失格か。……異能無効化?異能力無効化…

「異能無効化!?」

「あれ、聞いた事ある?私も未だ記憶を失ってから使った事は無いのだけれどね、なんでも、私には異能力が効かないそうなんだ。とは言っても、制限も在るらしいけどね。」

「ネットで見た事あります…。ほぼ無敵の異能だって…。」

「へぇ、そうなんだ。まぁ予想はしてたけど。」

…異能力が効かない?
それって…まさか…

私は絡み付いた腕を解くと太宰さんの肩を掴み、1つの結論に辿り着く。

「太宰さんが私の事を忘れる事は…ない?」

「そ。うふふ、凄いでしょ。」

私の事を…忘れないでいてくれる人が…居る…

それがどんなに嬉しい事か。
しかもその相手が太宰さんだというのだから、もう嬉し過ぎて泣きそう…

「ちょ、A!?折角泣き止んだのに、何故してまた泣くのさ……!」

「だって、ホッとして…っ」

「…よしよし、今までよく頑張った。」

撫でてくれる太宰さんの、大きくて骨ばった温かい手。

泣いているのが恥ずかしくなって下を向くと、両頬に手を当てられ強引に視線を合わせられた。

「覚えていて、A。何があっても私は、君の事を忘れたりなんかしない。例え君が私の事を忘れたとしてもね。だから君は、安心して良いんだ。」

「…太宰さん!」

私は何分もの間、太宰さんの胸の中で泣き続けた。今まで溜めてきた苦しみや悲しみを全て吐き出すように。


涙も渇き切ってやっと上を向くと、太宰さんは「酷い顔。」と言って、私を笑う。
その言葉さえもが、今は愛しく感じる。

「ところでA」

「ん?」

「私には或る推測がある。そしてその推測が正しければ、Aは…」

私、は?

「敦君と国木田君に、思い出してもらえる。」

思い出してよ→←前ページ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (81 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
74人がお気に入り
設定タグ:夢小説 , 文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

空ノ寂(プロフ) - 七葉さん» ありがとうございます、とても嬉しいです!これからも、応援よろしくお願いします! (2017年12月4日 0時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 凄く面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月3日 23時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - uoxCAnz4DFHXBiTさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて光栄ですっ!これからも、応援宜しくお願い致します! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
uoxCAnz4DFHXBiT(プロフ) - めっちゃ面白い!!! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 27924cfedd (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - 洋梨さん» ありがとうございます(T^T)とても、励みになります!これからも頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:空ノ寂 | 作成日時:2017年11月5日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。