人間失格 ページ12
「君にぴったりの能力だ。」
うふふと笑う太宰さん。
てか、異能力持ちだったんだ。あ、そう云えば武装探偵社の人だったか。そりゃ持ってるよな〜…何で気付かなかったんだろ。
「何の異能?変幻?精神操作?それとも…」
「異能無効化だよ。人間失格って言うんだけどね。」
私の言葉を遮る様にして紡がれた、その言葉。
へぇ、人間失格か。……異能無効化?異能力無効化…
「異能無効化!?」
「あれ、聞いた事ある?私も未だ記憶を失ってから使った事は無いのだけれどね、なんでも、私には異能力が効かないそうなんだ。とは言っても、制限も在るらしいけどね。」
「ネットで見た事あります…。ほぼ無敵の異能だって…。」
「へぇ、そうなんだ。まぁ予想はしてたけど。」
…異能力が効かない?
それって…まさか…
私は絡み付いた腕を解くと太宰さんの肩を掴み、1つの結論に辿り着く。
「太宰さんが私の事を忘れる事は…ない?」
「そ。うふふ、凄いでしょ。」
私の事を…忘れないでいてくれる人が…居る…
それがどんなに嬉しい事か。
しかもその相手が太宰さんだというのだから、もう嬉し過ぎて泣きそう…
「ちょ、A!?折角泣き止んだのに、何故してまた泣くのさ……!」
「だって、ホッとして…っ」
「…よしよし、今までよく頑張った。」
撫でてくれる太宰さんの、大きくて骨ばった温かい手。
泣いているのが恥ずかしくなって下を向くと、両頬に手を当てられ強引に視線を合わせられた。
「覚えていて、A。何があっても私は、君の事を忘れたりなんかしない。例え君が私の事を忘れたとしてもね。だから君は、安心して良いんだ。」
「…太宰さん!」
私は何分もの間、太宰さんの胸の中で泣き続けた。今まで溜めてきた苦しみや悲しみを全て吐き出すように。
涙も渇き切ってやっと上を向くと、太宰さんは「酷い顔。」と言って、私を笑う。
その言葉さえもが、今は愛しく感じる。
「ところでA」
「ん?」
「私には或る推測がある。そしてその推測が正しければ、Aは…」
私、は?
「敦君と国木田君に、思い出してもらえる。」
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空ノ寂(プロフ) - 七葉さん» ありがとうございます、とても嬉しいです!これからも、応援よろしくお願いします! (2017年12月4日 0時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
七葉 - 凄く面白いです!更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月3日 23時) (レス) id: 88ee75b376 (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - uoxCAnz4DFHXBiTさん» ありがとうございます!!そう言っていただけて光栄ですっ!これからも、応援宜しくお願い致します! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
uoxCAnz4DFHXBiT(プロフ) - めっちゃ面白い!!! (2017年11月12日 22時) (レス) id: 27924cfedd (このIDを非表示/違反報告)
空ノ寂(プロフ) - 洋梨さん» ありがとうございます(T^T)とても、励みになります!これからも頑張って更新していきますので、応援宜しくお願い致します! (2017年11月11日 23時) (レス) id: 6114dac4c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:空ノ寂 | 作成日時:2017年11月5日 15時