職業居候です【まふまふ】

6日目 ページ6

はぁ………




電車に乗って、実家に戻るはいいものの絶対追い出されるよなぁ………




そこそこの満員電車に揺られつつ、イヤホンで音楽を聞こうとしていると何やら後ろから声が聞こえてくる。




「え、見てやばくない！？」

「当たってんじゃんライブ！」

「え、え、誰目当て？」

「もちろんまふくんだよ〜」

「え、でもまふくんいろはちゃん達の体調悪くて来れないかもって……」

「えぇーまじ？生で見てみたかったなぁ。やっぱりかっこいいのかな？」

「ホストみたいなんじゃない？笑」




おーおー後ろは威勢のよろしい中学生かよいねーよいねー




………ちょっとおばさんに見せてくれるかい？




え、だって猫飼ってるんでしょ？

ホストっぽいんでしょ？

で、なんかすごい人なんでしょ？




昨日のホストの可能性………ない？




次の駅で入ってきた人混みに紛れ、その子達のライブ詳細を確認し調べるとまふまふという文字が目に入る。




まふまふ？この人…のことだよねさっき話してたの




「ま、ふ、ま、ふ……っと」




画像検索すると、昨日のホストに似てるやつが出てきた。




オーマイガー。




いやまて、まだわからん。




Twitterも調べよう。




ねぇ、私ってもしかしなくてもストーカー気質ない？やだ、今の私って完全にストーカー予備軍だよね？最悪なんですけど…




そう思っても、調べる手は止まらず徐々に確信がついていく。




昨日のホストは、歌い手のまふまふだと。




気がつけばとうに実家の駅を通り過ぎていて、慌てて駅を降りた。




「はぁ………」




昨日今日と、ついてるんだかついてないんだかさっぱりだが、とりあえず家に戻ろう。




そして、私は決めた。




あの、まふまふとかいうホストの家に住み着いてやる！！！




これまで私に出来なかったことは無い。




小学生の頃、ピアノがならいたくて3日ほど引きこもったら習わせてくれた。

中学生の頃、誰よりも早く彼氏が欲しくてメイク頑張ったら入学から3日で彼氏出来た。

高校生の時どうしても芸能人と付き合いたくて、読モをして付き合った。

偏差値37の高校から、60の大学に首席で合格した。

そう、この私に不可能などない。




ふっふっふっ、待ってなさい。ホスト。




私は絶対あんたの家に居候してやるからー！




あれ、まって。




私の今の発想ってだいぶクズ？

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