最低限 ページ36
A「…ごめんなさい」
その跡を手で押さえ謝った。
凛と付き合っていて、
紫耀ともこうして会うとしても、
最低限、凛の存在は、
紫耀に感じさせないようにしなきゃいけないのに…
紫耀「…ううん。こういう事だってあるって、それも全部覚悟してたつもりなのにな…。いざ、目の当たりにすると、…つらいね。ふぅー。Aごめん…少し我慢して？痛いかも…」
そう言うと、
私の腰に手を回し、
引き寄せると、
そのキスマークの上に唇を乗せ、
強く吸われた。
A「…んっ」
紫耀「ごめん、やっさ痛かったよね？」
A「ううん。大丈夫。」
紫耀の心の痛みに比べたら、
なんて事ない。
逆の立場なら、
私はどうだっただろう…
…きっと無理だと思う。
紫耀の体に、
私が付けていないキスマークを見るなんて、
そんな事耐えられない…
ごめんね…
こんな姿を見せて、
凛の存在を感じさせてしまって…
紫耀に抱き着くと、
A「好き。紫耀の事大好きだよ。」
こんな言葉しか言えない私。
紫耀「うん、ありがとう。俺も大好きだよ。気にしないで？」
そう言って、
バスルームへ入って行った。
その後を追うと、
A「キャー！」
私に向かって、
いきなりシャワーを掛けられた。
紫耀「アハハハ！」
笑いながら、
まだシャワーを掛けてくる。
A「もー！やめてよー」
紫耀「ごめん、ごめん。大丈夫？笑」
私の手を取って、
顔を覗かれるから、
A「大丈夫じゃないわ…メイク落としてないから、酷い顔になってるはず…」
紫耀「アハッ。はーい、メイク落とそうねー」
メイク落としを手に取ると、
丁寧にメイクを落としてくれた。
そして、ボディソープを手に取ると、
私の身体に手を滑らせるように洗い始めた紫耀。
A「ンッ、イヤッ、自分で洗うから…」
紫耀「ダメ。」
いやらしいその手つきに声が漏れちゃうよ…
私も紫耀の身体に泡をつけ洗い始めると、
紫耀「そんな洗い方しないでよ…ンッ、ハァ、我慢できなくなっちゃうでしょ？」
もう息も上がり、
キスをしながら、
泡まみれになって洗い合っている私たち。
A「ハァ…紫耀だって…ンッ…」
人のこと言えない手つきですけど？
紫耀「ごめん、ごめん。ここでは抱かない。2年ぶりなんだから、ちゃんとベッドで愛し合いたい。」
A「うん…」
そう話し、
なんとか、
やっとのところで我慢した。
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年8月7日 1時
