本来なら… ページ26
紫耀のマンションへ。
エレベーターの中、
鼻歌を歌いとても機嫌が良い紫耀に、
A「そんなに岸君と神宮寺君来るの嬉しいの？相変わらず仲良しなんだね。」
紫耀「えっ？違うけど。Aが好きだなって思ってただけ。」
A「もー、恥ずかしいから、急にそんな事言うのやめてよ。」
紫耀「恥ずかしいの？可愛いね。やっぱりあの2人呼ぶのやめようかな。2人でいたい。」
A「えー、ヤダ。会いたいのに…」
紫耀「は？」
そう言うと、
無言で手を引かれ、
エレベーターを降りると、
部屋に入るなり、
キスをされた。
A「んっ！」
なんだかいつもこの玄関でこうしてキスをしてる気がする…
そして、いつもこんな感じで、
部屋に入った事がまだないんだった…
キスが終わると、
紫耀「俺に今日会いたいって、思った気持ちの方が大きいよね？」
本来なら物凄くヤキモチ妬きな紫耀。
こんな感じの些細な事でも、
自分が1番じゃないと嫌な人なのに、
それなのに、
2番目という立場に我慢させている事を思い、
切なくなった…
A「当たり前でしょ？紫耀に会いたくて、堪らなかったわ…。だから、今日の電話嬉しかった。会いに来てくれてありがとう。」
紫耀の両手を握り、
そう言った。
こう思う気持ちは嘘ではない。
本当に会いたかった。
凛と過ごしていても、
いつでもどこかで紫耀を考え思っていたの。
紫耀「A…」
抱き締められる腕の中で、
大好きな紫耀の香りを吸い込んだ。
すると、
紫耀「明日は、仕事休みなの？」
A「うん。」
紫耀「…なら、泊まってかない？」
A「えっ…でも…」
紫耀「あー！！無理だったらいいよ…。ごめんね？ってか、まだ玄関だったね。笑」
私の返事は聞かず、
笑いながら話を変えた紫耀。
私もそれ以上何も言えずに、
紫耀の後を付いて部屋に入った。
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年8月7日 1時
