心が痛む ページ15
バッグからスマホを取り出し見ると、
“もう寝たの？早過ぎ。笑”
“おやすみー”
きっと仕事帰りに私のマンションの前を通ったんだ…
部屋の電気が付いてないから、
もう寝たんだって思ったのね。
心が痛む…
ごめんなさい、また嘘ついてしまって…
また裏切ってしまって…
スマホを見る私の横を、
ため息をつきながら通り過ぎて、
部屋に入って行った紫耀。
私は昨日、
凛の事を大切にするって決めたじゃない。
紫耀の立場を考えて、
こんな風にまた部屋まで来てしまったけど、
それは言い訳にもならないから。
帰ろう…
そう思って玄関を開けて部屋を出た。
エレベーターを待っていると、
紫耀「待ってよ！なんで黙って帰るの？」
小走りで紫耀が駆け寄って来た。
私は振り返らない。
何も言わない私と、
エレベーターとの間に無理矢理立つと、
紫耀「お願い、A、部屋で話そ？」
手を握られそうになったので、
咄嗟に腕を組んだ。
そんな私の目線まで顔を傾けて、
顔を覗き込もうとする。
目を合わせちゃダメ…
流されちゃダメ…
そう思って、
下を向いていると、
ちょうどエレベーターが来た。
A「…黙って帰ろうとした事はごめんなさい。でも、やっぱり部屋には上がれないわ。どうかしてたの。こんな所まで来て、今更って話なんだけど、でも、それでもやっぱり、彼を思うと上がれない。ごめんなさい。」
紫耀「…そんなに好きなの？」
A「うん。大切な人なの。」
こんな私を好きになってくれたんだもの。
こんな私を許してくれたんだもん。
穏やかで、
一緒にいると楽しくて、
凛と幸せになるって、
そう思ってたのに…
どうして会いに来たりするのよ…
どうして、
必死になってしまい込んでいた気持ちを、
呼び起こそうとするのよ…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 577人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひろみ
| 作成日時：2021年8月7日 1時
