ちゃんと話そう… ページ19
斉藤「そっか…。ねぇAさん?」
A「はい。」
2人で壁に寄り掛かって
正面をお互い向いて話していたから、
横から斉藤さんを見た。
斉藤「俺が思うのは、恋愛は楽しく、自由であるべきだと思うよ?結婚生活だと我慢とかしなきゃいけないのかもしれないけどね。Aさんは、彼と恋愛中なんだから、楽しみたいよね?だから、そんな顔をするような我慢は必要ないんじゃない?彼にちゃんと話すべきだと思う。」
A「そうですよね…。」
斉藤「そんなに話しづらい事なの?」
A「うーん、どうかな…。少なくとも彼は嫌がる事かな。」
斉藤「練習だと思って、俺に話してみなよ。」
A「分かりました。」
それから、今日の出来事を話した。
それと、前から私がタクの歌を歌うのを、
またかって感じで流されていた事も。
斉藤「なるほどね。笑」
A「笑わないで下さいよ…」
斉藤「ごめんごめん。いや、彼は相変わらずAさんの事好き過ぎるみたいだし、なんていうのか、若いなって思ったの。」
真剣に話して損したな。
私はこの状況全然笑えないのに。
A「話して損しました…」
斉藤「ごめんね笑って。でも、俺は羨ましいなって思ったけどね。本当にそんな彼が羨ましい。こんな風にAさんを想えて、悩ませて、でも結局それは愛があるが故のすれ違いでさ?話の内容聞いたら、絶賛大恋愛中じゃん。だから遠慮しないで、ちゃんと話すべきだと思う。分かってくれるよ。それに、またそのボーカルの人に会うかもしれないし、あやふやにしない方がいいと思うけどね。」
最後にはちゃんと私が安心出来るような言葉を言ってくれる。
そんな斉藤さんはやっぱり大人の男性だなって思う。
A「分かりました。話してみようかな。ありがとうございます。」
斉藤「ってかさ…、俺ってお人好しにも程があるよね?」
A「フフフ。確かに。笑」
斉藤「あー、笑うなよな!そんな事言うと、もう話聞いてやらないからな!」
A「アハハハ。それは困りますよー。私と彼の、良きアドバイザーなんですから。笑」
斉藤「お前…実は相当なドSだな…」
A「バレました?」
笑いながら、
さっきまでの憂鬱な気分は無くなっていた。
ちゃんと話そう。
そうするべきだなと思った。
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作者名:ひろみ | 作成日時:2020年2月2日 10時