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大熱唱 ページ14

渡された物はタオルだった。
でも…

神宮寺「いや、岸君。それ、今さっき自分の汗を拭いたヤツでしょ?」

だよね。
そんな気がしたんだよね。

岸「あっそっか。しまった。」

神宮寺「あっそっかじゃないでしょ?」

A「ごめんね。ありがとう。お気持ちだけで…」

そっとそのタオルを返していると、

タク「アハハ。普段もこんな感じなんだね?」

岸「えっ?はい。ありがとうございます。」

何故、ありがとうございますなのか…

タク「アハハハ。」

でも、タクが笑ってる…
目の前でタクが。

神宮寺「お会い出来て嬉しかったです。ありがとうございました。」

タク「こちらこそ。じゃあまたね?」

そう言って、
トレーニングに戻ったタク。

ジムを後にして、
現場まで運転しながら、

A「私、心臓のドキドキがまだ止まらないんだけど…」

神宮寺「俺も。ビックリしたよね?まさか、本当に会えるなんてね。」

A「うん。会えただけでも凄いのに、目があって、それに、話せたんだよね…。信じられない。もう今年1年いい事ないかも。」

神宮寺「本当にそのレベルだよね。ってか、岸君、誰だか分かってた?」

岸「いや、ぶっちゃけ途中までよく分かって無かったけど、Aちゃんと神宮寺の話でピンと来たからよかったんだよね。あー、でも、はじめ誰だろって思って、めっちゃ考えてたから、変な顔してかも。歌はいつもAちゃんとかジンが歌ってるの聞いてたから知ってるけど、ボーカルの人の顔とか知らなかったからさ。」

A「そうだよね。でも感じもよくて、益々ファンになっちゃったな。」

神宮寺「なんか複雑だな。」

岸「それは俺も。」

神宮寺「は?なんで岸君も?」

岸「うん?あれ?俺はそうでもないか。間違った。笑」

赤信号で止まったから、
曲を流すと、
3人で歌い、
現場まで
大熱唱だった。

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作者名:ひろみ | 作成日時:2020年2月2日 10時

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