探し物 ページ10
それからも、
紫耀が撮影を頑張っている姿を見守っていた。
でも、それはマネージャーとして。
でも、彼は違うらしく…
休憩になると、
私の所へやって来ては、
紫耀「ねぇ、ねぇ、どうだった?」
こればっかり。
A「良かったよ。」
何度も繰り返されるこの質問を、
上手くかわすように
そう笑顔で言う。
演技の事なんて、
全然分からない。
紫耀「本当?ねぇ、本当に良かった?」
A「うん。」
紫耀「カッコ良く映ってた?」
A「うん。」
今度は、
もう、何を聞かれても、
素っ気なく、
うんとしか言わない。
それは、
思わず何か口走ってしまったら、
周りにバレちゃいそうだから。
だから、
興味なさそうに、
紫耀の会話を冷たく遇らっている。
でも、
心の中では、
本当にカッコいいと思っているし、
演技凄いなとか、
色々思っているけど、
それは絶対に隠さないといけないから。
こんな会話をしていると、
近くにいたスタッフさんが、
スタッフ「アハハハ。今日このクダリ、何度目?」
紫耀「えっ?あー、ちょっとそれは分かんないですけど、何度でも確認しときたくて。ほら、マネージャーさんしか、遠慮なく言ってくれる人いないじゃないですか。」
スタッフ「なるほど。」
ドキドキしたけど、
ちゃんとうまく言ってくれて、
安心した。
紫耀は、いつもちゃんと考えてくれている。
天然、天然だと言われるけれど、
ちゃんと考えていて、
しっかりとした人なんだよね。
そんな事を思いながら、
つい紫耀を見つめていた。
紫耀「あっ!」
スタッフ「何?どうかした?」
急に声を上げた紫耀。
A「どうかしたの?」
紫耀「うん。どうかしたの。」
A「えっ?何?どうしたの?」
紫耀「あれ?あっ、車かなー…。うん、車だ!そうだ!」
ポケットに手を入れて何か探している。
スタッフ「探し物?」
紫耀「はい。あの、すみません、まだ休憩大丈夫ですよね?ちょっとだけ行ってきます。マネージャー、一緒来て?」
A「う、うん。」
スタッフ「分かったー。いってらっしゃい。」
スタッフさんに挨拶をして、
紫耀を追って、
エレベーターに乗った。
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作者名:ひろみ | 作成日時:2019年11月24日 0時