見つかっちゃダメな人 ページ25
神宮寺「ヤキモチって…。でもさ、それでそんなに泣くものなの?大丈夫?目とか真っ赤だよ?アイツはAさんがこんなに泣いてる事知ってるの?そもそも、こんなに泣かせるほどのヤキモチを妬かせるってのが、問題じゃない?そんなに辛いなら…」
そう言いながら、
私の方へ一歩近付くと、
手を伸ばしかけて、
その手を引っ込め、
握り締めるのが見えた。
あー、1番見つかっちゃダメな人に見つかっちゃたな…
神宮寺君の言葉を遮って、
A「こんなに泣いちゃうぐらい彼のこと好きなの。だから大丈夫だよ。ありがとう。本当に大丈夫だから、気にしないで?」
言い聞かせるように神宮寺君に伝える、
そんな私を見て、
主任は分からないくらい小さく頷くと、
主任「ほら、もう行くぞ?」
主任は、
神宮寺君を止めるように、
腕を少しだけ引いて歩き出した。
神宮寺「えっ!でも…はい…」
主任には、
いつも助けられている。
大人で、
優しくて、
頼り甲斐があって、
そんな主任の後を、
借りたメガネを掛けて歩き、
ありがとうございますと心の中で呟いた。
2人の後に続くように、
メンバーみんなが居る控え室へ。
ここには既に紫耀もいるはず。
一つ深呼吸をして、
顔を上げると、
やっぱりそこには、
大好きな人がいた。
私の方をチラッと見ると、
少しだけ驚いた表情をして、
また目を逸らした。
永瀬「おはよっさーん。なんや、今日はメガネなん?オソロやん。俺も今日かけてん。」
いつもの調子で永瀬君がやって来た。
A「あっ、おはよう。」
本当だ。似たようなメガネ。
これ、主任のだけどね。
永瀬「ってかな?紫耀、今日めっちゃ機嫌悪いんよ。ってか、なーんも喋らへんのよ。何かあったん?…って、あったな。あったね?そっかー、そっかー。何やねん2人して。喧嘩?だからかー。なるほどですな。笑」
小声でそんな事を言ってきた。
そして、
メガネの奥の、
私の赤い目を見て、
喧嘩したんだと分かったらしい。
A「そんなんじゃないよ…。ねぇ、お願いがあるんだけど、聞いてくれる?」
永瀬「俺に?珍し!ええで?」
A「休憩の時に、紫耀に上の階のいつもの部屋に来てって伝えてくれない?」
永瀬「しゃーないな。笑」
永瀬君は紫耀のそばへ行き、
さっきの件を伝えてくれた様子。
その様子を見ていると、
紫耀と目があった。
優しい笑顔を一瞬してくれた。
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作者名:ひろみ | 作成日時:2019年11月24日 0時