ワガママ ページ3
紫耀「A…。正直に話してくれてありがとう。Aの気持ち聞けて、俺嬉しくて堪らないよ。さっきも言ったけど、不安だったんだ。でも、Aの気持ち聞けて安心した。ちゃんと話してくれてありがとう。ねぇ、指輪今持ってる?」
A「うん。」
ポケットから指輪を取り出し、
手の平に乗せて見せると、
少しだけ悲しそうな顔をした紫耀。
もう私がこの指輪をはめることが出来ないと彼も分かってるんだよね…
無意識に指輪を握り締めた私の手を包むように握り、
紫耀「…こんな思いさせてゴメンね。」
A「ううん。でも…」
紫耀「でも?」
A「ずっと、ずっと私の事好きだって言って、ずっとずっと私のそばにいて。こうして、手を握ってて。」
紫耀を見て、
こんなワガママのような事を言った。
私からこんな事を
こんな風に言ったのは初めてかもしれない。
でも、いつも思ってる事。
願っている事。
でも、決して自分から言葉にはしなかった。
弱さや甘えを見せるなんて、
この東京に出て来てからは、
そんな事をしちゃいけないと自分に言い聞かせて、
必死に生きてきた。
そのうちに、
そんな自分が当たり前になっていた。
それは、紫耀に対してもだった。
でも、
今日は言いたくなったの。
そんな私の変化に紫耀はもちろん気付いてくれて、
紫耀「もちろん。約束する。ずっとそばにいて、こうやって手繋いで、ずっとずっと好きでいる。一生離さない。ねぇA、やべー。めっちゃ嬉しいんだけど。どうしよう。笑」
そう言って、
繋いでいない手で顔を隠し、
指の隙間から見える目で私を見た。
A「どうしよう、私も嬉しい。フフ。」
私も嬉しくて、
幸せで、
そう言うと、
紫耀「この笑顔、ずっと俺だけのものだよね。」
何だか泣きそうな、
切なそうな、
でも幸せそうな、
そんな笑顔で見つめられ、
頬を撫でられた。
A「うん。」
そんな紫耀に、
私も同じように、
泣きそうで、
切なくて、
物凄く幸せな顔になっていた。
そして、
車の後部座席のここで、
そっとキスをした。
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作者名:ひろみ | 作成日時:2019年11月24日 0時