彼の不安 ページ18
お風呂から上がり、
ソファーに座ってテレビを見て紫耀を待つ。
眠くなって来たけど、
待っててと言われたしな…
紫耀「…ただいま」
んー。
ん?
ゆっくり目を開けると、
目の前には横向きに顔を傾けた紫耀が。
髪が濡れている…
お風呂に入ったんだね。
全然気付かなかったな。
A「あっ、寝てた…んだ私。ごめん。おかえりなさい。」
紫耀「ただいまー。待っててくれたんでしょ?ごめんね?ちょっと遅くなっちゃった。」
体を起こしながら、
A「でも、寝ちゃってた。…フフ。楽しかったんだね。良かったね。」
楽しかったと顔に書いてあるもの。
紫耀「うん、楽しかったよ。でも何で分かるの?」
A「だって、フフフ。顔に書いてあるんだもん。」
隣に座った紫耀の頬に手を添えた。
紫耀「それ、さっき廉からも言われた。そんなに俺って分かりやすいのかな?」
A「うん。笑」
本当に嘘がない人だから。
紫耀「じゃあ、今日現場でAとの事バレなかったのは凄い事?」
まぁ、微妙な時はあったけどね…
でも大丈夫だと思う。
私も必死に頑張ったから。
素っ気なく、
興味なさそうに、
面倒くさそうに。
マスクで表情もなるべく隠すように。
A「うん。凄いよ。さすが俳優さんだね。」
紫耀「俺ってさ、俳優業どうなのかな?今日見てどうだった?正直に言って?」
そうだよね…不安だよね。
A「私は、演技の事は何も分からないけれど、演技中は、私が知ってる紫耀じゃなかったよ?それって、凄い事だなって思ったの。今日見て、紫耀って、やっぱり素敵な俳優さんだなって思った。きっと、誰もがそう思いながら、映画を観てくださるよ。」
紫耀「ありがとう。実は、少し不安もあって…。ヒットさせなきゃとか考えちゃって…。周りは誰もそう言わないけど、やっぱり色々感じちゃうから…。だから、Aにそう言ってもらえて、嬉しいし、少し安心した。」
そっか、
そんな事を…
大変な重圧を感じてるんだね…
そんな紫耀に、
私が出来る事は…
A「おいで?」
両手を広げて、
そう言うと、
ニコッとして、
紫耀「うん!」
私の両手に収まった紫耀の頭を抱き締めた。
サラサラな髪を撫でて、
A「お疲れ様。」
こんな事しか出来ないけど、
少しでも気持ちが軽くなってくれるといいな。
そんな願いを込めて、
少しだけ抱き締める力を強めた。
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作者名:ひろみ | 作成日時:2019年11月24日 0時