初対面 ページ7
カードキーをかざすと、
ピーッとなって、ランプが赤から緑色に。
「ほらね！！」
カードを上に掲げながら、
どんなもんだと、自分で自分に威張っていた。
その瞬間、
「独り言？」
背後から男性の声が…
「えっ？」
バッと振り返ると、嘘でしょ？えっ？何で？
知ってる！この人テレビで見た事ある！
また正面を向いて、黙っていると、
「入らないんですか？」
「あっ、すみません。入ります。どうぞ。」
玄関のドアを開け、先に入ってもらう。
「ありがとうございます。お邪魔します。」
靴を脱いで、部屋に上がった彼。
「お邪魔します…」
私も後に続いて、ヒールを脱ぐ。
「何でお邪魔しますなんですか？笑」
笑ってる…
「えっ？あっ、確かに。アハハハ。私も初めて入るんです。笑」
電気が勝手に付いている。センサーなのかな？
廊下が真っ直ぐ伸びていて、その廊下に何個かのドアがある。
先にある、ドアを開けて、部屋に入っていく彼。
なるほど、あそこがリビングなのね。
私も急いで後に続いてリビングに入った。
「スゴい…」
家具、家電がしっかりと揃っていた。
家具のセンスも、落ち着いた色合い。
ベージュ、グレー、ホワイト。
私の荷物なんて運び入れるのはやめておいたがいいんじゃないかなと思った。
うん。そうしよう。
持ってくるものは、洋服ぐらいでいいや。
「あのー…」
あっ、すっかり忘れてた！
「あっ、すみません。初めまして〇〇Aと申します。」
いつもの通り、作り込まれた、完璧な笑顔で挨拶をした。
もう癖になっているこの笑顔。
彼の目にはどう映るのだろうか…
「平野紫耀です。」
何も気には止めていないね…
やっぱり。テレビで見た事ある彼だ。
そして、彼も同じく作り笑顔だね…
何も話す事が、無い…
そう思っていたら、
「…何歳なんですか？」
「25歳です。」
「そうですか。俺は21歳です。」
「そうなんですね。」
「…座りましょうか…」
まだ2人共立ったままだった。
「はい。」
ソファーに座った彼。
それを確認してから、少し距離を開けて座った。
「聞いていいですか？」
また口を開いたのは彼の方だった。
「はい。」
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作者名：ひろみ
| 作成日時：2018年11月18日 22時
