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灰谷side

廊下で外を眺めていると、はあ･･･というため息が聞こえてくる。
それを発したのは、白石先生だった。

灰谷「白石先生」

白石「お疲れさま」

灰谷「お疲れ様です。」

白石「･･･聞いたよ、電撃傷見抜いて患者さん助けたんだって？凄いじゃない。」

灰谷「現場に行けないから病院にずっと居た。それだけです。」

白石先生は僕に近づいて、凄いと褒める。
僕が今できることはこれくらいなんだ。

白石「･･･どうしたの？」

灰谷「ドクターヘリで駆けつけて、たくさんの人の役に立つ。
そんな医者になりたくて、僕はこの病院に来ました。
･･･なれるんでしょうか。」

白石「なれるよ」

灰谷「簡単に言わないでください、白石先生には絶対にわかりません。」

誰からも信頼されて、治療も完璧にできる。
そんな白石先生に、僕の気持ちが分かるはずがない。

灰谷「白石先生みたいにできる人間に、できない人間の気持ちはわかりません。
･･･それに、石川先生も。100人以上の人を指揮したって聞きましたけど、そんな人には僕の気持ちは理解できないと思います。」

白石「できる人間か･･･ほんとにそうだったら良いんだけどね」

意味深なその発言に、白石先生の顔を見つめる。
だって･･･貴方はできる人間でしょう。