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蝉
鬼ヶ崎「…なぁ」
「なんだ」
鬼ヶ崎「お前さん、本当に蝉って名前なのかい？」
振り向かずにそう言う鬼ヶ崎カイコク
“蝉”なんて名前の日本人なんていないことぐらい、
誰だってわかる
でも…
「…わからない」
鬼ヶ崎「え？」
「名前、わかんないんだ。
名前以外にも、誰から生まれたのか、いつ生まれたのか、どうやって生きてきたのか…
俺には無いんだ…戸籍が」
そう言うと、鬼ヶ崎カイコクはピタリと立ち止まった
そして初めて振り返った
鬼ヶ崎「…その話、本当でェ？」
「あぁ」
鬼ヶ崎「…そうかい」
そう言ってまた、鬼ヶ崎カイコクは前を向いた
鬼ヶ崎「ひとつ気になるんだが」
「なんだ」
鬼ヶ崎「お前さんのこと、いまいちなんて呼べばいいのかわかんないんでェ」
「呼び方なんて何でもいい。」
鬼ヶ崎「そうかい。じゃあ、俺は蝉って呼ぶから、俺のこたァ下の名前で呼んでくれねぇかい？」
「カイ、コク…？」
鬼ヶ崎「長かったらカイで良い。」
「…わかった、カイ」
そこでカイからの会話は終わった。
しかし、俺は背後の気配がどうにも気になってカイに話しかけた
「なぁ」
鬼ヶ崎「ん？なんでぇ？」
「後ろについてきてる奴は…どうするんだ？」
鬼ヶ崎「え？後ろ…？」
振り返れば、そこには忍霧ザクロと日下瑛二の姿
日下「あらま、バレちゃったね」
鬼ヶ崎「おいおいなんでぇ。ストーカーとはまた悪趣味な…」
忍霧「ストーカーではない。お前ら2人はどこに行こうとしているんだ」
バレても尚、ヘラヘラ笑っている日下瑛二
それに比べ、忍霧ザクロはバレたことに少し驚いているように見て取れる
鬼ヶ崎「どこにって…あのアルパカの所だ」
忍霧「…何をする気だ？」
鬼ヶ崎「まぁまぁ、そんな怖い顔しなさんな。
いけ好かねぇ家畜の皮をちょっくら剥いでやろうと思ってな」
忍霧「なに…？」
カイが指さす先には、51階へと続く階段を登ろうとしているパカがいた
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のあ抹茶(プロフ) - こんにちは、このお話とは関係がないですが、「Broken Emotion」は最新されないんですか？このお話も面白かったです、最新頑張ってください(^O^) (2020年4月6日 14時) (
レス) id: e5127ccdd8 (このIDを非表示/違反報告)
カイル(プロフ) - とても面白かったです！続きを楽しみにしています！ (2020年3月26日 17時) (レス) id: 2ba625995f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Alice | 作成日時：2020年2月26日 18時
