生まれ変わったこの世界で

GAME 3 ページ13

日下瑛二







「っ……え？」

入出「大丈夫ですか？日下さん」







俺を襲った衝撃は想像の何倍も弱いもので、

少しフワフワした感覚がする







「ぱん、だ…？」

入出「はい。パン太郎です」







パン太郎とやらの巨大パンダの上に俺は落ちたらしい







更屋敷「ぎょえああ！！」

忍霧「なっ、なんだ！どーした！？」

更屋敷「幽霊！！さっそくあいつの幽霊が来てる！！」

入出「カリンさん落ち着いてください。まだ生きてます」







幽霊、か…

俺が幽霊なのはあながち間違ってないような…







忍霧「日下、大丈夫だったか？」

「あ、、うん」

入出「ありがとうパン太郎…君は命の恩人です」







入出くん達が何か話している中、忍霧くんは俺を気にしてそう投げかけた

少し右足首に違和感があるけど、

敢えて言わないでおこう

年下に気を使われても面倒だ







入出「あっ、そう言えば！」

駆堂「なんだよ突然」

入出「俺、落ちる時に見たんですよ」







“皆さんの後ろに誰かがいるの”







そう放った入出くんの言葉にみんなは一斉に振り向く

だけど、そこには誰もいない

あるのは掃除用具入れだけ







駆堂「…おい、お前開けろよ」

忍霧「なんで俺なんだ」

入出「じゃあ僕が…」

更屋敷「あんたはもっと危機感を持ちなさいよ！」







なかなか開かない掃除用具入れ

仕方なく俺は黙ってそのドアを開けた







「…何もないよ？」

忍霧「日下！大丈夫か！？」

駆堂「こいつらに危機感ってもんはねぇのか」








うじうじしてたのは君たちじゃないか


なんて言葉は飲み込んで、

みんなにニッコリと笑って見せた

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