My Funny Valentine

Stay that way　きみとしんご4 ページ9

許可が下りたからには。
たぁっぷりじっくりさせてもらおぅやないか。
ベッドまで引っ張っていってぽんっと押し倒す。

強気な言葉とは裏腹に
くみし抱かれたら従順になる。

深いキスして口んなか掻き回せば
漏れ始める息が掠れてる。

んぁっ、はぁっ

オマエの声がこんなにイヤらしいなんてな。
まだキスだけなのに俺の下で身ぃ捩ってる。

｢俺、シャワー浴びてへんわ。行ってきてええ？｣
蕩けかかった目ぇ見て言ったら
｢そのまんまで、ええ｣
首の後ろに手ぇ回して離れない。
｢そんなに欲しいん？｣
｢ん。欲しい｣
今日はやたらと素直。

｢なぁ、いっぱいして。アンタの好きなように｣

ちょ、どこで覚えてきたん？
どこもかしこも甘ったるくて蕩けそう。
見上げる目付きも漏れる息も。
チョコよりも甘い信五食べつくしたら虫歯になるな。
それよりもっと重症の依存症にでもなるかもしれん。
まぁそれでもええ、か。
手遅れかもしれへんし。

俺の好きなように、はオマエの好きなようにや。
ねだるだけねだって、俺を欲しがってくれ。
オマエは求め続けて俺は与え続ける。
俺が求めるときは全て受け止めて。

ぐっしゃぐしゃになるまで絡み合って
動けなくなるまで繋がった。
もう一滴も出ぇへん。
無理しすぎた信五は一息ついたあと
水だけ飲んで寝息たててる。

なんとか熱めのお湯で濡れタオル作って
信五の体ざっと拭いておく。
汗で濡れたオデコにちゅっとキスしたら
ふっと口許が緩んだ。

さて。シャワー浴びてこよう。
明日も仕事。
信五もシャキッと起きて
いつも通りにカメラに向かうやろ。
鎖骨のしたにつけた俺のシルシ、スーツの下に潜めて。


リビングのテーブルの上には
マルから貰った赤い箱。
開けてみたらコロンと並ぶ丸いトリュフチョコ。
美味そうやけど明日にしよう。
ええよな。マル。
今日は信五の甘さに浸っていたい。

ゆうちん、幸せ？
マルの聞かれたような気がする。

俺、めっちゃ幸せやで。

ひとり呟いてシャワー浴びに向かった。

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