まいにち

あったかい　りゅう1 ページ30

ピンポーン

インターホンの音。
はいはい。って応対すると
越してから何度か来てくれてる宅配の人。
そのまま上がって来てもらうと、
やたら大きな箱とフカフカした包み。
しかもご丁寧にラッピングしてある。

｢ありがとうございます｣
って受けとると送り主は見たことあるような名前。

・・・。

村山信隆って。ベタやな。
しかも宛名は『大山隆義』って。
なんて読み方すんのよ。
宅配のお兄さん、笑ってたやないの。

｢たつー。ふたつも荷物きたー。来てぇ｣
リビングにいるはずの忠義に声かける。
｢おーん。ちょっと待ってて｣

今日はふたりとも揃って帰ってこれて
ちょうど部屋着に着替えてたとこ。

大きいけどそんなに重くはないな。
なんや、これ。
送り主の名前でゆうちんと信ちゃんからってのはわかる。

｢デカっ｣
玄関まで来てくれた忠義も驚いてる。
｢上の夫婦からってのはわかるけど、なんでふたつ？｣
｢まぁ、とりあえず運ぼ｣

大きい箱の方を俺が持つ。
フカフカなんは忠義が。
リビングへ移動して
｢開けてみよか｣
ラッピングをとると現れたダンボールには

｢丸型こたつ｣

って書いてある。

｢あ！忠義、これ｣
｢んふふふ｣
忠義、ニヤニヤしとる。

前に忠義が調べておいてくれた炬燵の資料にあったやつ。
真ん丸っていうのが可愛らしくて
これがいいって言ってたん。

ってことはフカフカのほうは・・・
オレンジの炬燵布団。
しかも掛け布団と敷き布団セットになってる。
緑のラグマットも！
これ思ったよりもフカフカやん。

｢うわぁ。嬉しい。でもなんで信ちゃんたちから？｣
｢引越し前に楽屋でこれの資料見とったら
雛ちゃんが引越し祝いに買うたるって言ってくれてな。
コタツは雛ちゃんでお布団はよかーまくんから。
ラグマットは俺からりゅうへプレゼント｣
｢じゃぁ、たつは知ってたん？｣
｢おん。夫婦と俺でりゅうにサプライズ！｣
｢ホンマ？ありがとう。めっちゃ嬉しいわぁ
二人にもお礼せなアカンね｣

忠義にぎゅうっと抱きついてちゅっとキスをする。
ホンマ嬉しいわぁ。

とりあえず荷ほどきしておコタの場所を決めましょう。

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