まいにち

贈り物　たつ ページ24

ほのかに香る梅の花とお月様。
それを露天風呂のなか眺める隆平の滑らかな背中。
写真を撮るのも忘れるくらい見とれてた。

｢たぁ、一緒に入ろ？｣

呼んでるけどもう少し眺めてたい。
側に行ったらすぐに我慢できなくなるから。

｢のぼせてしまいそう｣

振り向いてくしゃっと笑う顔。
綺麗やな。
太陽みたいな子なのに月明かりが似合う。

手ぇのばして、来てって誘う声に滲む艶。
そんな声で呼ばれたら行くしかないやんか。

羽織ってただけの浴衣落として
縁側から続く湯船に身を沈める。
後ろから抱きしめて
首筋にキスを落とすと

んんぁ

甘い息を吐く。

腰を引き寄せて上に座らせると
もう解されたそこはほんの少し抵抗しただけで
呆気なく俺を飲み込んだ。

シンと冷えた空気に落ちていく喘ぐ声。
温くてまとわりつくように柔らかなお湯が
ふたりのリズムで波をうつ。
隆平のなかは熱くてキツくて蠢いている。
絡み付くように。しがみつくように。

｢の、、、ぼ、せてまう｣

浴槽の縁に体くったり預けた隆平が助けを求めてる。

｢抜いてもええん？｣
｢い、、や、このまま、、して｣
｢イヤラシ、な｣
｢たぁ、、、んっ、｣
｢ええ声。聞かれてまうよ？｣

慌ててくちびる噛み締める。
ふふ。
可愛らし。
くるんと繋がったまま向かい合わせになって
噛み締めたくちびる舐めるとと
ちょっとだけ血の味がした。

何度抱いても沸き上がる底無しの欲。
吐き出しても吐き出しても求め続ける。
限界まで昂った隆平のものが俺の腹に当たる。
このままお湯のなかで出してしまうのは気が引けて
抱えたまま床に上がった。

ころんと寝転がれば
背中にひんやりとした木の床の感触。
上には色づいた隆平。

｢動いて｣

俺の胸に手ぇついて
深いとこまで貫かれて腰揺らしてる。
空に向かって声をあげる姿が
月に吠える狼みたいで目ぇ反らせない。
甘くて蕩けた鳴き声。
反った背中。
誰も知らない本当の隆平。
俺しか知らない本当の隆平。
世界で一番淫らで愛しいいきもの。

あぁ。

アカン。俺酔うとるな。
逆上せてもうてる。

梅の薫りと月明かり。

意味は違うけど望みとおりや。
マルの笑いに浸かりたい、やっけ。
笑ってはおらんけど、な。


俺、今隆平に溺れとる。
どっぷり浸かって溺れとる。

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