まいにち

電話　りゅう3 ページ13

｢ほな、代わるな｣

優しいゆうちんの声と入れ替わりに半泣きの忠義。

｢りゅう・・・？｣
｢おん｣
｢良かった、電話出てくれないかと思った｣
｢ゆうちんから聞いたけどホンマ？｣
｢おん。ホンマの話し。
トイレから戻ったら勝手に話しっとった｣

着信ってたしかロック解除しなくても
出られるよなぁ・・・。
ゆうちんも言うてるし、ホンマのことなんやろぉな。
でも、１番はそこじゃなく。

｢たつは女の子のほうがいいんかと思って・・・｣
｢そんなことないっ。りゅうが一番やっていつも言うてるやん｣
｢忙しくてそばにおられんから・・・｣
｢それはお互い様やん｣
｢たつが眠れなくなるくらいやったら
誰かおってくれた方がええかなって・・・｣

俺以外の誰かが忠義支えてくれるのなら。
いつもそばにいてあげられるのなら。

｢りゅうのアホっ｣

忠義が怒鳴った。

｢俺はりゅう以外やったら
誰かがそばにいたって安らげないわ。
りゅうがおってくれる、離れてても頑張ってるって思ったら
俺も頑張れるし、暖かい気持ちで眠れるん。
俺の嫁はりゅうやろ。
誰も代わりになんてなれへんわ。
なんでそんな悲しいこと言うんよ｣

珍しく荒げた声が
ゆっくりゆっくり諭すような声に変わる。

｢りゅう？俺は大丈夫やで？
今日もホンマに薬持ってきてないんよ。
りゅうが１日の終わりにおやすみって言ってくれれば
ちゃんとぐっすり眠れるようになってきたんよ｣

｢ホンマに？｣
｢ホンマやで。言っておけばよかったなぁ。
ごめんな、不安にさせてしもた｣
｢俺こそごめんなさい｣
｢りゅう悪くないやん。謝らんといて｣
｢でも・・・｣
｢ええの。りゅうは謝らんといてっ。
あのさ、１回電話切ってええ？よかーまくんが正座してこっち見てる
マジ、こわいわ。りゅう泣かすとよかーまくんに本気で殴られる｣

｢わかっとるやないか。とりあえず変われっ｣

ごそごそっとした後ゆうちんに変わった。

｢あー。マルぅ。とりあえず良かったわ
おーくらがホンマにオイタしたら俺に言うんやで
信五とふたりでシメたるからな｣
｢おん。ゆうちん、ありがとう。
そんときはおねがいします｣

わははとゆうちんが笑って

｢今度は出たれよ。じゃぁな｣

って電話が切れた。

電話　りゅう4→←電話　りゅう2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す