恋 彼らのお話2

トクベツ　きみたか2 ページ32

信五は抱き返してもくれなかった。
俺が何度呼んでもあいしてるって囁いても。

憮然とした顔のまま何かを考えてるかと思ったら
急に思い付いたように俺の服を脱がす。
ひざまづいて腰を引き寄せて
あのまるっこい瞳で俺を見上げる。

｢きみ、目ぇそらさんで俺をみて」

酔ったようにトロンとした顔。
初めて見る表情。
こんな顔、するんや。
知らない人みたいやな。

頭と体と声がバラバラに働いてた。
口んなかで限界まで膨らんだソレと
止まらずに漏れる声と
見つめられてクリアになる頭と。
目を閉じてしまえば、呆気なく放たれるだろうけど
そらせないまま加えられて

｢まだ、アカン｣

そう言われたら堪えるしかなくて。

くっ
んっあぁ

｢きみのそんな顔俺しか知らんやろ｣

ふはぁっ
あぁっ

｢なぁ、俺だけやろ｣

｢せ、、や、で、、、しんご、し、かっ、、｣

｢なに？言うて｣

｢しんっ、、ご、しかっ、しらっん｣

｢ええよ、出して｣

｢アカ、、ん、くちっ、は、なしっ｣

速度あげて頭を振る。
吸い付いて締め上げてくる。

んんはぁぁ

自分でも驚くほどの声と一緒に
口んなかで弾けた。

ゴクリと信五の喉が動く。
その間も目ぇ見つめてくる。
滑り落ちるように座り込んだ俺の目の前で
見せつけるみたいにべぇっと口開けて舌出した。

｢きみのが俺の腹んなかに落ちてくる｣

満足そうな顔しやがって。

｢お前だけや、俺を飲み込んだんは｣

そう言ったら微笑んだままポロリ涙をこぼした。

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