2 ページ7
「しょぉた」
「なぁに」
涼太は寝室を覗くとベッドの上にちょこんと座っていた。
白い毛布にくるまってる姿は
どこかで見かけたまん丸い小鳥みたい。
「しょぉた、いないから」
「いるよ」
なんだ、これ。
寝ぼけてるのかひらがなで喋ってる。
「どしたの」
「喉、乾いたから水飲んできた」
「きて」
「うん」
自分の横をぽすぽす叩いて俺を呼ぶ。
隣にいくと羽織っただけのバスローブを
するり、と取られた。
「きもちいぃ」
俺の胸にほっぺたをあてて
えへへ、と笑う。
いつもは凛とした涼太の不意に見せるあどけなさ。
ふにゃふにゃしてる体を抱き寄せると
いつもより少しあったかい。
子供みたいだな。
そう思ったら、うっかり勃ちかけたものがひっこんだ。
「しょぉた、いっしょにねよ」
「俺でいいの？」
「しょぉたがいい」
「そか」
「しょぉたじゃなきゃイヤだ」
「うん」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」
「…うん」
なんでわかるんだろ、俺の一番欲しい言葉が。
寝ぼけてるくせに。
俺のほっぺたにちゅ、っとくちびるが触れて
またえへへと笑った。
子供みたいに腕のなかでゆらゆら揺れるから
コロン、と一緒にベッドに倒れた。
よっぽど眠いのか涼太の瞼は閉じていて
俺は長い睫毛にキスを落とした。
「しょぉた」
「うん」
「ねる」
「うん。寝ような。おやすみ、涼太」
「おやすみ」
腕枕はお互い苦手。
だからいつも向かい合って手を握る。
涼太がモゾっと動いて俺の手を両手で包んだ。
宝物みたいにそっと優しく。
あぁ、愛されてんじゃん。俺…
毛布にくるまった俺の小鳥。
フワフワと笑ってるみたいな顔して寝てる。
大切そうに俺の手を握って。
そっか…そうだよな。
「しょぉたがいい」
あの舌足らずな甘ったるい声で
涼太が俺を選んでくれる限りは…大丈夫だから。
この手が離れていかないように
守って愛する。
ぽってりとしたくちびるに
啄むようなキスをして
「おやすみ、涼太」
俺も目を閉じた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 808人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
accouknowmax(プロフ) - ご連絡ありがとうございました。雪男たちが好きなので、よろしくお願いします。 (1月3日 15時) (
レス) @page40 id: 042bd4006f (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - accouknowmaxさん» はじめまして。お読みいただきありがとうございます。鍵がかけてあるお話はこちらの続きではありません。暫く鍵をかけたまま、公開する予定もないのでごめんなさい。 (1月2日 17時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
accouknowmax(プロフ) - はじめてコメントします。klssとhugの話大好きで何度も読み返してるくらいです。舘様じゃない可愛い涼太くんが切なくて、男らしいしょっぴも大好きです。続きの、お話が出てて読みたいのですが、パスワードがあります。こちらで教えていただけるのでしょうか？ (12月30日 5時) (レス) @page40 id: 042bd4006f (このIDを非表示/違反報告)
美祐奈 - 初めまして、美祐奈です！いつも読ませてもらっています！なべだて少ないんで…見れてうれしいです！これからも更新頑張ってください！ (2022年11月18日 18時) (レス) id: f68b1462c9 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - 祐筆さん» 普段は堂々としてるんですけどねぇ…nbさんのことになるとちょっと弱々しくなっちゃうんですよね…耳熱くなっちゃうし（笑） (2022年11月6日 5時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cayochi
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月8日 12時
