squall ページ1
風呂上がり。
タオルで頭を拭きながら戻ると
リビングに居るはずの涼太の姿が見えない。
え？消えた？そんなわけねぇか。
冷えきっていた部屋の温度が少し上がっていて、
カーテンが揺れている。
薄く立ち上がる煙と蚊取り線香の匂い。
そう言えば昨日買ってきてたっけ。
冷蔵庫から缶ビールを出してきてから
ベランダを覗くと
同じ缶片手の涼太が夜空を見上げてた。
からんからん、と金魚の絵がついた
風鈴が鳴っている。
ふわふわとほんのり笑みを浮かべて
時折ビールに口をつける。
明るく色を抜いた髪がさらさらと夏の風に揺れていた。
名前を呼ぼうとして止めた。
小さく歌い始めたから。
柔らかくて少し高い涼太の声。
声が掠れてるのは
さっきまで鳴かせてしまっていたせい。
よく晴れた月の夜に通り雨の歌。
ここが高層階で良かった。
誰にも見られないから。
涼太の横顔は儚くて綺麗。
暫くそっと眺めていたくなるほどに。
だけど、なんとなく。
振り向いて欲しくて
名前を呼ぶ代わりにプルトップを持ち上げた。
プシュ、と心地よい音がして涼太が振り返る。
「翔太、出てたの？」
「うん」
「風、気持ちいい」
来て、と俺を呼ぶからサンダルを履いて横に並んだ。
こつん、と缶を当ててぐっと流し込む。
「美味いな」
「うん。美味い」
同じバスローブの襟元に薄らと赤い跡。
たぶん明日には消えてしまうくらい薄く。
「月が綺麗だな」
「そうだね、このまま時が止まればいいのに」
見上げた月は少し欠けている。
「ねぇ、部屋入ろう」
涼太が俺の腕に触れた。
少し汗ばんだ温もり。
手を引かれてリビングに戻ると
窓とカーテンを閉めた。
「どうしたの？」
「月にも見せたくなかったから」
ふふふ、と笑ってキスをひとつ。
したくなっちゃった。
そう言ってまた俺の手を引く。
行先はベッドルーム。
もう今日はこのまま隠れていよう。
月が沈むまで。
愛しい人をこの腕に。
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accouknowmax(プロフ) - ご連絡ありがとうございました。雪男たちが好きなので、よろしくお願いします。 (1月3日 15時) (
レス) @page40 id: 042bd4006f (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - accouknowmaxさん» はじめまして。お読みいただきありがとうございます。鍵がかけてあるお話はこちらの続きではありません。暫く鍵をかけたまま、公開する予定もないのでごめんなさい。 (1月2日 17時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
accouknowmax(プロフ) - はじめてコメントします。klssとhugの話大好きで何度も読み返してるくらいです。舘様じゃない可愛い涼太くんが切なくて、男らしいしょっぴも大好きです。続きの、お話が出てて読みたいのですが、パスワードがあります。こちらで教えていただけるのでしょうか？ (12月30日 5時) (レス) @page40 id: 042bd4006f (このIDを非表示/違反報告)
美祐奈 - 初めまして、美祐奈です！いつも読ませてもらっています！なべだて少ないんで…見れてうれしいです！これからも更新頑張ってください！ (2022年11月18日 18時) (レス) id: f68b1462c9 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - 祐筆さん» 普段は堂々としてるんですけどねぇ…nbさんのことになるとちょっと弱々しくなっちゃうんですよね…耳熱くなっちゃうし（笑） (2022年11月6日 5時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cayochi
| 作者ホームページ：
作成日時：2022年8月8日 12時
