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「「献盃」」

家に帰ってから、ふたりで改めて献盃をした。
リナの好きだった日本酒を
ちょっといい酒屋で手にいれて
リナの好きだったツマミを山程テイクアウトした。

「リナさんのお話、聞かせて」
「んー。あんま、ええ話やないかも」
「たぁの大事な人やったんでしょ?」
「まぁ、な」
「なら、余計に聞きたい。いっぱい思い出話、して」
「りゅぅが嫌んなったら言ってな」

俺はりゅぅにリナの話を沢山した。
出会った時の派手なオネエチャンっぷり。
でも、トッポくてカッコいい女だったこと。
飲み過ぎてやらかした失敗談や
ベッドでした恋バナ。

「嫌やない?」
「ちょっとヤキモチ妬いたけど、もう過去のことでしょ?」
「それはせやねんけど・・・」
「せやねぇ。たぁがパパって可能性もあるんやね」

そう言ってちょっと考え込んで

「もし、パパがたぁなら
ハナちゃん、僕らで引き取ろうよ」

「へ?な、なに言うん」
「俺は、そうするのが一番やと思う」
「なんで?」
「やって、親子は一緒におるんが一番やろ」

隆平がふぅ、って大きく息を吐いて

「俺はたぁをパパにはしてやれんから」

ぽつりと言った。

結婚はしなくてもええから子供は欲しい。
俺がバラエティで言うたびに
隆平が傷ついた顔をするのは
ずっと前からわかっていたし、
何度も話し合ってきた。
世の中にふたりのことを公表できる日がきたら
養子を迎えようか、とも。

「ん・・・。ありがと、りゅぅ」
「一応、俺とハナちゃんに
親子関係があるかは調べてみようと思う」

帰り道でずっと考えてた。

「俺がパパだろうとなかろうと
ハナちゃんには自分の父親が誰か知る権利がある。
やから、俺のためってのもあるけど、ハナちゃんのために」
「せやね。それがいいと思う」

母親が亡くなって、父親も知れず。
ハナちゃんの将来に心が痛くなる。
もし、俺がパパやったら・・・。
やっぱり、自分の元で育てたいと思うんやろか。

酔いと一緒にいろんな思いが頭ん中駆け巡る。
無口になった俺を、隆平が優しく見守ってくれてる。

人の気持ちを読みすぎるほど読んでしまう
隆平につい甘えてる。
ホントは繊細で泣き虫で甘えたなこの子が
リナと俺の関係に傷ついていないわけないのに。

「りゅぅ、ごめんな」

ふくふくとした頬に手を伸ばすと
俺の好きな顔で微笑んだ。
手のひらにちゅっとくちづける。

「謝らんで」

ふふふって笑った。
俺の可愛いお姫様。

「ええ子やね」

リナの声が聞こえた気がする。

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作品ジャンル:恋愛
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さや(プロフ) - ハナちゃんを自分の名前に脳内変換★ (2020年6月22日 14時) (レス) id: 806d5009ef (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 凄い!もぉ〜どんなんくれるの〜、めっちゃ楽しみ。 (2020年6月22日 12時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - ちょーちょーちょーたのしみ!!!!!ありがとうかよさん!!!!!!かわいい!!!!! (2020年6月22日 12時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cayochi    | 作成日時:2020年6月22日 11時

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