明日 (ページ40)

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オレンジ・ディ　りゅうページ40

昼下がり。
こんな時間にふたりで裸ん坊。
外は風が強いみたいやけど、窓を閉めてしまえば
日差しが暑いくらいで心地いい。

今日はまだベッドから出たくない。
たまの長い休みやもん。
怠惰に過ごしてもバチは当たらない。

「なぁ、水持ってきて」

忠義が甘えた声を出す。
しゃあないなぁ、
ベッドから抜け出してパンツだけ履いて
冷蔵庫からペットボトルを持ってきた。

「りゅう、ついでにクローゼット開けて」
「ん？なに？」
「ええから開けて」

言われた通りに扉を開けると
ちょっとお高いブランドの箱。

「それ、あげる」

中にはオレンジ色のボディバッグ。
使い勝手が良さそうで可愛らしくて。

「ええの？」
「おん。ええよ」
「ありがと！めっちゃ嬉しい」
「気に入った？」
「おん。大事に使うわ」

はしゃぐ俺を柔らかな目で忠義が見てる。

「でも、なんで？」
「今日、オレンジディって言うんやて」
「オレンジの日？」
「そ。ひな祭りがちゃんしんの日なら
オレンジディはりゅうの日やろ？」

んふふ、って笑う顔が愛しくて堪らない。
チュッとくちづけたら
バッグ持ったまま押し倒された。

「今日は目一杯甘えてええで」

ぎゅうぎゅうに抱きしめられて
ちょっと苦しい。

「ちょ、ちょ、バッグ潰れる」
「あはは。ホンマや」

ほい、っとバッグをベッドの下に置いて
またコロンと転がされた。

「パンツ、邪魔」

あっと言う間にくるんと剥かれて
ぺろん、と出された俺のお尻。

「これは桃やけどな」

チュウっと吸い付くようにキスされて

「ひゃあん」

変な声が出た。
擽ったくて気持ち良くって。
このまま・・・と思ったけど
頭んなかでもくもく湧き出るクエスチョン。

「ね、ちょ、待って」
「んー、待たん」

ちゅっ、ちゅっ、ちゅ
あちこちにキスが飛ぶ。

「たぁ、ね、オレ、ン、ジ、、ディ、ってなに？」

途切れ途切れに聞いてみると

「ん？しらぁん」

へ？知らんの？

「オレンジって言ったらりゅう。
やから今日はりゅうの日。それでええやん」

平日の昼下がり。
お仕事はしばらくお休み。
自粛、自粛の毎日やけど、こればっかりは無理みたい。

「俺のオレンジ。食いつくしたる」

おもいっきり可愛がったるからな、って
むちゃくちゃ男前の顔をした。

愛しい人と過ごす午後。
ふたりの距離はいつでも狭い。