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キス りゅう1 ページ22

今日はお泊まりのお仕事。
忠義は東京やから離ればなれの夜。

後輩くんたちと食事に行くって
言われてなんだか少しソワソワしてる。

やって、なかに俺に宣戦布告したあの子もおるはずやから。
真っ直ぐな目ぇして俺に負けないって言ったあの子。
忠義が後輩くんに靡くわけないって思ってる。
俺の大切なダンナはん。
信じてる。
だから誓いあった。

けど。うん。

なんだかわからんけど気になる。
うーん。どうしたもんか。

薬指のリングにそっと触れる。

大丈夫。

グルグル思い巡らすなら寝てしまおう。
ベッドにゴロンと転がって

『おやすみ』

ひとことメッセージ送った。
多分眠れないけど。
読みかけの本に手ぇ伸ばしたところで
放り投げといたスマホが着信を告げた。

「りゅぅ、ただいま」

ほろ酔いのご機嫌な声。
どうやらちょうど家についたとこらしい。

「おかえり。早かったねぇ」
「アイツら、明日朝からなんやて。
顔浮腫むからはよ帰らしたわ」
「そっか」

さっきまで悶々と考えてたせいか
自分でも素っ気ないなと思うくらいの声。

「寝るとこやった?」

気づいてるのか忠義の声も固くなる。

「んー。やることないし、
本でも読んで寝てまうつもりでおった」

ヤキモチ妬いてふて寝するつもりやったなんて
言いたくはない。

「りゅぅ?」
「なぁに」

普通に、と思えば思うほど空回りする。

「なんかあった?」
心配そうな声が返ってくる。

「なんもないで」
明るく言ってるつもりなんやけどな。

「りゅぅ、今夜はみんなでご飯やったよ」
思ってることを見抜かれて泣きそうになる。

「おん・・・」
ぐす、っと鼻すすってもぉた。

「あんな、りゅぅが心配する事、1個もあらへん」
ふっ、と笑う優しい声。

「まだヤキモチ妬いてくれんのやなぁ」
なんだか嬉しそう。

「ヤキモチなんて・・・」
「妬いてくれへんの?」
「やって、たぁが可愛がっとる後輩くんたちやろ?」

『たち』やなんて。
逃げてるみたいやけど。

「俺、妬いてほしいで」
意外なことを言われて声が出なくなる。

「りゅぅにはずっとヤキモチ妬いててほしい」
まっすぐな声で言う。

「愛されてるって思ってたいん。
やから言うて。妬いてる、って」

「妬いてる。他の子可愛がらんといて」
「アホやな、りゅぅ。はよ会いたい」

蕩けそうに甘い台詞。

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kkoyanagi(プロフ) - ずっーーーーーと冬でいて欲しい (2022年12月19日 12時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - kkoyanagiさん» 冬がくると書きたくなるみたい笑 (2022年12月19日 10時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - あーちゃんさん» ひさしぶりに書いてみました。いろいろあったけど元気でやってるみたいです (2022年12月19日 10時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ヤッホー!!昨日「ニコイチ」まで読み返してた所だったのでめっちゃ嬉しいです。 (2022年12月19日 8時) (レス) id: 46c9530258 (このIDを非表示/違反報告)
あーちゃん(プロフ) - あぁ たつとりゅう⋯ (2022年12月18日 1時) (レス) @page49 id: 48bf44c3b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cayochi    | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月17日 10時

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