お誕生日ありがとう きみたか5 ページ21
｢アホってなんやねん、おかしいことあったか？｣
俺にしたら、なかなか勇気のいったサプライズやったのに。
ちょっとイラっとして大きな声出してしもた。
｢スマン、ちょっとええか？｣
信五がいきなり立ち上がって
さっきと同じ引き出しから、手提げの袋持ってきた。
また俺の前に座ると袋ごと俺に渡してくる。
｢ほれ。これは俺から｣
見て？って即されて袋開けたら
一枚の紙と箱に入ったプラチナの指輪がふたつ。
紙にはやっぱり半分書き込んであって
よく見れば箱に記された店の名前が俺のと同じやった。
｢きみ、誕生日祝いに俺の人生受け取ってくれへんか？｣
すん、と真面目な顔して俺の目ぇ見てる。
｢ええんか？俺で｣
｢きみがええん。きみやないとアカン｣
｢信五、誕生日祝いにお前の人生俺にくれんか？｣
｢ええんか？俺で｣
｢信五がええねん。信五やないとアカン｣
もう一度ぎゅっと抱きしめたら涙出てきた。
腕に中の信五も鼻水啜ってる。
しょっぱいキスひとつして
信五の左手をとる。
ふたつのリング、薬指に嵌めたらふんわりと微笑んだ。
信五も俺の左手とっておんなじことしてくれる。
ふたつのリングは打ち合わせしたみたいに
ぴったりと合わさってひとつのリングに見えた。
こんな時にまでやることが揃うなんてな。
アホやんな、俺たち。
2枚になった紙はお互い足りないとこ埋めて
後は証人の欄書いてもらうだけ。
もちろんアイツらに書いて貰うつもりやけど。
大事なもん入れとく引き出しに
大事なもんが増えていく。
｢なぁ。ずっと一緒ってことやんな？｣
｢アホ。当たり前やろ｣
｢ここで、な｣
｢おん。この部屋で、な。｣
あ。もぅひとつの判子つかなアカンよな。
まぁ、ええか、明日で。
幸せな誕生日。
オカン。じーちゃん、ばーちゃん。
俺、幸せにやってんで。
生んでくれて育ててくれてありがとぉ。
いつかそっち行ったら今日のこと話させてな。
｢行くで｣
手ぇ掴んでベッドへ向かう。
今日はあらためて俺の妻になったこの子を
抱きしめて眠りたい。
｢眠るだけでええの？｣
｢寝かさへんでもええの？｣
｢ええよ？｣
さて。今夜最後のプレゼントもらうかな。
ちゅっと繋いだ手ぇの甲にキスしたら
いたずらに笑うオクサマ。
俺の好きなくりんとした目ぇで。
｢なぁ、俺、首にリボンでもつけた方がええ？｣
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cayochi(プロフ) - こおあさん» わぁぁ！ありがとうございます。随分前に書いたものをよんでも頂いているなんて、作者冥利につきます！最近エイト兄さんのお話が少なめですが18祭もありますし、再燃すると思いますので気長にお待ちいただけたら嬉しいです (2022年6月20日 19時) (
レス) @page2 id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - 春色が好きで定期的にみにこさせてもらってます！ヨコヒナ最近少ないので素敵な小説が読めて幸せです！ (2022年6月20日 6時) (レス) id: ef19d181f3 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - こおあさん» ありがとうございます！超亀更新ですが、よろしくおねがいします (2022年1月9日 17時) (レス) id: ebdbe7a05a (このIDを非表示/違反報告)
こおあ(プロフ) - 素敵小説でにまにましました、これからも応援してます！ (2022年1月9日 11時) (レス) @page44 id: ef19d181f3 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - (名前)ゆーきゃんさん» 信五さんの髪の毛、意外と触り心地良さそう。ヨコヒナは幸せ案件です！ (2020年5月10日 21時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：cayochi 
| 作者ホームページ：
作成日時：2019年4月9日 4時
