恋 彼らのお話3

お誕生日ありがとう　きみたか3 ページ19

｢俺も充もとっくに村上くんのこと家族やと思うてるよ
にーちゃんのこと一番わかってんの村上くんやし
村上くんおらんかったらにーちゃん何もできひんやん｣

｢せやで。村上くんやなかったら俺らが困る｣
充の涙混じりの声。

｢村上くん、にーちゃんのことよろしゅうお願いします｣
｢今度うちにも遊びに来てや｣
｢ありがとぉ。ありがとぉな｣
信五に飛び付いたふたりを
俺が外からぎゅうっと抱きしめた。

｢あっ！せやった。勤、充、きみ。も、ひとつな｣
ぱっとハグほどくと信五が立ち上がって
重要なもん入れとく引き出しから書類取り出した。

｢これ。ここの契約書。
賃貸契約だったけどな、きみと買い取るって話してたんや。
詳しい人にも話聞いてもろろて
後はきみの判子もらうだけになっとる。
ちゃんと勤と充に認めてもらってから、
判子ついてもらう気ぃでおったから今日わざわざ来てもろた。
これも俺らの覚悟のひとつやねん。
ふたりともええかな？｣

｢ええやん！｣
｢反対なんてするわけないやろ！｣
｢なら、決まりやな｣
｢ありがとぉな、にーちゃん嬉しいわぁ｣

俺らのやり取りを俺の大事な人たちが見守ってくれてる。
グスグスと鼻水啜る音があちこちから聞こえてくる。

｢きみくん、いい誕生日になったね｣
｢ヨコ、おめでとぉ｣
｢よこちょ、よかったねぇ｣
｢よかーまくん、今めっちゃブッサイクになってるけどなっ｣
｢りょぉちゃんやって明日目ぇ腫れんで？｣
｢ええやん、みんなで目ぇ腫らして怒られましょ｣
｢アホっ。ええことないわ｣

信五がマルの頭どついて、おーくらがナデナデしてやってる。
それ見てゲラゲラ笑ってたらまた泣けてきた。

｢どしたん、きみ？｣

信五が心配そうに俺の顔覗き込んでる。

｢むっちゃ幸せやわぁ。ホンマ、みんな、ありがとぉな｣

ホンマにホンマに幸せ。
生きててもええことなんてないって思ってた時期もある。
やりきれへんことばかりで辛かったことも。

そんな俺をいつでも横で支えてきてくれたんが信五やし
悲しいことがあった時に寄り添っていてくれたんはメンバーや。
おーちゃんにも相葉ちゃんにも色々聞いてもらったなぁ。
ひとり足りひんけど、まぁアイツも今頑張ってるやろ。
恵まれてんな、俺。

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