恋 彼らのお話3

プリンとテレパシー　きみたか2 ページ12

荒い息。
スルッと抜けた刺激に体震わせたけど
俺の胸にしがみついたまま。

｢きみ、ごめん｣
｢ん？どうした？｣
｢俺、はしたなかったな｣

顔も見せんと、ひとり反省会始めてる。
ナニコレ、カワイイ。

｢ええよ。はしたない信五も可愛いわ｣
｢嫌いにならんで、な？｣
｢そんなん、ならんわ｣
｢どこにも行かん？｣
｢さっきも言うたやろ？行くとこなんてないわ｣
｢ホンマに？｣
｢ホンマに｣

いつもより激しかったんは不安やったからか。

｢シャワー浴びるか？｣
｢ん。もうちょっとしてから｣

甘えたな信五。
俺しか知らん姿。
しばらくこのままで抱きしめてたろ。
髪を撫でると今にも眠ってしまいそう。
そしたら体拭いたればええか。



あ。
そう言えば聞くことあったんや。

｢なぁ、俺出てってから泣いた？｣
｢なんで？｣
｢マルが言うてた。信ちゃん泣いてるって｣
｢あぁ、せやな｣
｢連絡したん？｣
｢せぇへんよ｣
｢ケンカして出て来たって言う前に
泣いてるって言われたんやけど｣
｢あぁ。それか｣
｢へ？｣
｢マル、俺になんかあるとわかんねんて｣
｢え？ホンマ？｣
｢おん。だから俺泣かすとマルに筒抜けなん｣

こっわ、なにその能力。
俺が欲しいわ。
そんなん持ってたら
なんかあってもすぐに抱きしめに行けるのに。

｢アンタ、マルになんでケンカしたか言うた？｣
｢言ってない｣
くだらなすぎて言えへんわ。
｢言うてないんか｣
｢おん。信五も言うてないん？｣
｢さっきマルに明日プリン買って帰るな
って言われたんやけど｣
｢俺もそれ言われた｣

・・・こっわ。ホンマに怖い。

今日のケンカ、プリンのせいやねん。
俺が信五のプリン、食うてまったのが原因。

｢結局マルには勝てんな｣
｢そんなこともないで？｣
｢俺もわかるもん｣
｢は？｣
｢マルのことは大体わかる｣

へ？そっちも。

何、このふたり。益々勝てる気せぇへんわぁ。
ふたりとも嫁側でよかった。
って、ちょぉ待てよ。
昔、一緒に住んでたよな。
まさか・・・。
いや、でも信五は俺が初めてよねぇ？
えぇぇぇ。
そんなことないよねぇ？

軽く思考がパニック起こしてる俺の横で
小さくイビキかきはじめたオクサマ。

まぁ、ええか。
今は俺のやし。

おやすみ、信五。
泣かせたぶん明日はたっぷり笑おうな。

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