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月とシャンプー たつ ページ4

お互いの体、洗い合って
その間にもう1回繋がって
頭ぼんやりし始めたから
慌ててふたりで浴室を出た。

冷えた水、冷蔵庫から出して
一気に飲み干す。

「なんや、ケモノみたいやなぁ」
ケタケタと笑いながら隆平が言う。

「ホンマやな」
俺も笑う。

バスローブ羽織っただけの体からは
洗った意味がないくらい汗が流れ落ちてて

「アホやな」

また笑う。

風が欲しくて窓開けたら
どっから来たんか桜の花びら。

「ええ季節やな」
まだぽやっとほっぺた紅くした隆平が
ベランダに出て空を見上げる。
太陽みたいに明るいくせに
月の光が似合うのはなんでやろ。

このまま空に帰ってしまいそう。
昔話のお姫さんみたいに。

濡れた前髪にひらり花びらがひとつ。

あぁ、きれいやなぁって単純に思う。
なんでこの子はこんなに綺麗なんやろぉ。
ホンマにお月さんに持っていかれやしないやろか。
アホみたいやけどな。
心配になんねん。

この子のこと好きすぎて
俺、おかしなってしもたんやろか。

どっか人目のつかんところに閉じ込めて
俺だけのものにしたくなる。
そんなん言うたら
「もう忠義のもんですやん」
なんて笑うんやろけど。

ぐっちゃぐちゃに溶け合って
混ざり合いたい。
境目なんてなくなって
ひとつの塊になれればええのに。

繋がってるときはいつもそんなこと考える。

今も。

儚げな横顔見てたら
離れてるのが怖くなって
背中からぎゅっと抱きしめた。

「そろそろ入ろ?冷えてまう」

早く隠さんと連れていかれてまう。
この子がいなくなったら
俺も消えてしまう。
お月さん、お願いやから。
この子連れて行くなら、俺ごと拐ってください。

「たぁ、どしたん?」
動かない俺に隆平が問いかける。

「お月さんにお願いしとった」
「何を?」
「ヒミツ」

やってきっと笑うから。

俺の姫さんはまた空を見上げて
お月さんに向かって微笑んだ。

「もう少し、ね」

えっ?今なんか言うた?

くるり振り向いて今度は不安げな俺に微笑みかける。

「たぁ、行こ?」

仰せのままに。お姫様。
手をとって、ふたりお月さんから見えないとこへ。

作者より→←月とシャンプー りゅう3



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設定タグ:関ジャニ∞ , 大倉忠義丸山隆平   
作品ジャンル:恋愛
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cayochi(プロフ) - kkoyanagiさん» うわぁ!おめでとうございます!楽しんで来てくださいませね。でも無理は禁物!まだ時間ありますから体力蓄えて!今、喉やられてる方多いみたいですね。エイトのパワーもらったら回復早くなるかな? (2019年7月26日 18時) (レス) id: c55178e693 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - 何とか解放席が当たりました。日曜行ってきます。先週から気管支炎寝込んでいてやっとこ一昨日床上げで体力持つかなぁ心配 (2019年7月26日 18時) (レス) id: 9936377b81 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - みんな大好きオス田(笑)ネコキドとどっちがいいかなぁ、なんて考えてるだけで楽しいですよ〜。ちょっとお待ちくださいね! (2019年7月25日 21時) (レス) id: c55178e693 (このIDを非表示/違反報告)
kkoyanagi(プロフ) - ふふふっ、オス田。好物です。 (2019年7月25日 17時) (レス) id: 9936377b81 (このIDを非表示/違反報告)
cayochi(プロフ) - (名前)ゆーきゃんさん» 実は忠義さんの方がポリネシアン度深そうな気がしてるんですよねぇ。ヤキモチ妬いたらいろいろと大変そう(笑)ヤンマーちゃんでこんな感じ・・・ふふふ。できそう(笑)お楽しみにっ (2019年7月25日 10時) (レス) id: a293f198c5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cayochi | 作成日時:2019年3月31日 15時

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