恋

魔法なんていらない　りゅう5 ページ46

急に泣き出した俺を
忠義が焦った顔して覗き混んでる。

｢ちゃうねん。これ｣

ポッケのなかの箱、差し出した。

｢えっ、隆平から？｣
｢おん。中見て｣

箱開けたら忠義の顔が綻んだ。

｢お揃いやん｣

俺が選んだピアスと忠義が選んだブレスレット。
すっかりおんなじ柄やったん。

俺がピアス選んだ時、隣に置いてあったん。これ。
お揃いにしちゃおうかなぁって思ったけど
なんか恥ずかしかったから
忠義のピアスだけ買ったんよ。

｢いつ買ってくれてたん？｣
｢たつがタバコ吸いに行ってる間｣
｢だからあの店員さんニコニコしてはったんやぁ｣

忠義がブレスレット買った時、
店員さんが意味ありげに笑ったんやって。
仲良しやんて思われたんやろなって、ふたりで大笑い。

｢でも嬉しいわぁ｣
｢うん。俺も｣
｢おんなじの選んでたのもすごいなぁ｣

すぐにしてたピアスと付け替えて

｢似合う？｣
ってニコニコしてる。
｢りゅうもして｣
俺の腕に嵌めてくれた。

｢俺ら、仲良しねぇ｣
｢そうやねぇ｣

忠義がキョロキョロっとして
頬にチュッとキスをした。
船旅ももうすぐ終わり。

｢幸せやわぁ｣
｢幸せやねぇ｣

パーン

空には花火。
なんかもう、全部が全部。
俺たちのためにあるみたい。

｢ありがとう。忠義｣
｢ありがとう。隆平｣
｢今日も泊まってもええ？｣
｢帰さんわ｣
｢あ。パンツどうしよ｣
｢買ってかえろ｣
｢売ってるん？｣
｢売ってる。お揃いにしよか｣
｢アホですか｣
｢アホですよ｣
｢アホでも好きやで｣

またゲラゲラ笑った。

ちゅっ

続きは後で。
今夜も一緒に眠りましょ。

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