一部 ページ49
｢えっと･･･2人共ごめんなさい！一時でも疑ってしまって･･･｣
ひとまずAは、一瞬でも双子を信じられなかったことについて謝罪した。
｢うーん。なあ、洋平？｣
｢ん？なんだ？｣
すると浩平は、洋平の耳に顔を近づけ、内緒話を始めた。Aは、もしかしなくても、許してはくれないだろうと落ち込んだ。
｢ねえ、藤宮少尉！｣
｢･･･な、何？｣
内緒話が終わった双子に戸惑いつつ聞き返す。
｢俺たちの名前、呼んでくれたら許してあげる！｣
｢え？名前？｣
｢これからは洋平と浩平って、ちゃんと呼んでください！｣
｢親友だろ？｣
｢まあ、藤宮少尉の名前を呼ぶ特権は、尾形一等卒に譲りますけどね。｣
｢だな！先に名前で呼びあってたら怒るもんな。なあ、浩平？｣
｢クソ尾形は嫉妬深いからな、なあ、洋平？｣
｢え、えっと、なんで百之助さんが怒るの？｣
Aは、許してくれたことに安堵しつつ、疑問を口にする。何故尾形が、双子がAの名前を呼んだだけで怒るのかさっぱりだった。
｢あ、まあ、これはその･･･｣
｢色々ありまして･･･｣
｢ハッキリいいなさいよ！洋平君！浩平君！｣
Aはつい、先程いわれたとおりに双子の名前を呼んだ。すると双子が一変、目をキラキラさせた。
｢藤宮少尉に名前呼んでもらえた！｣
｢尾形一等卒より先に直接！｣
｢あ、いやだからさっきの話･･･｣
すると鶴見がわざとらしくゴホンッと咳払いしたため、結局Aの疑問の真相は突き止めることが出来なかった。
｢二階堂兄弟の誤解が解けて良かった良かった。では、先程のことも含め、順序を追って話そう。｣
そういって鶴見は、次のようなことを語った。
一部の兵士たちには、Aが尾形を好いているのがバレバレだと。それは、鶴見も含めてだ。
鶴見曰く、｢尾形一等卒のところにいくと、必ず藤宮少尉が近くにいるからな。｣とのこと。｢遠くからでも、あんなに熱い視線を送ってたらな〜｣｢普通分かりますよ〜｣と洋平と浩平が続けざまにいった。そこで、Aは廊下で尾形に話しかけようとしてモジモジしていたことだと理解して赤面した。
しかし、その一部の兵士たち以外は、尾形を曇った目で見ているため、万に一つもAが尾形を好いているとは思ってないそうだ。Aの様子がおかしいくらいにしか思っていないらしい。
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作者名：もふもふ | 作成日時：2018年11月20日 21時
