追 憶。【不死川実弥】

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「 兄貴、なんか嬉しそうだね 」


「 …まぁ、な 」


「 Aさんのことだろ〜 」





ニタニタと笑う玄弥.
うるせぇと軽くどつくが、否定は出来ねェ.





「 Aさん、変わってないね 」

「 中身も昔のまんまだよ 」





玄弥も、俺と同じく昔の記憶が残っている.
またこうやって兄弟として過ごせることはこの上ない幸せだ.


他の弟や妹も揃った.
お袋も親父もだ.


親父はまぁ横柄でガサツな所は多々あるが、
昔のような、暴力はない.





今は玄弥の通う高校近くのアパートを借りて、2人暮らしをしている.
実家から大学に通うより、断然今の方が近いから.











Aのことは、玄弥には話してあった.
記憶がないことも＿＿.





「 それで、何話してきたの？ 」


「 花火大会一緒に行くことになったァ 」


「 そっか〜、花火大会……って、え、さ、誘ったの！？ 」





急に顔を赤らめる玄弥.
なんでてめぇが赤くなってんだァ？





「 Aと一緒に居られるんならよォ、誘うしかねェだろ. 」










3年に1度しかねぇんだ.
これを逃せば、もう俺たちは大学を離れ職に就くことになる.

大学を卒業すれば、会えなくなる可能性の方がデカい.










だから、それまでには＿＿＿＿.



















あのポスターをみた瞬間、










あの時代でも、
一緒に花火をみた記憶が脳裏を駆け巡っていた.





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