追 憶。【不死川実弥】

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通話を終了させた後、
やたらと、手と耳が熱かった.










＿＿＿＿ A



そして、ずっと鼓膜に残る不死川くん…


いや、実弥くんの声.










なんで、名前で呼びたいだなんて…
成り行きで、私も彼のことを名前で呼ぶことになってしまった.



生まれてから、義勇と錆兎以外の異性を下の名前で読んだことがないため、
恥ずかしいような、感情で埋め尽くされてしまいそうだ.










どくんどくん、と強く脈打つのはきっとそれが原因.



でも、何故か、
ものすごく…不思議な感じもする.





＿懐かしい
そう感じたあとの時と同じような感情…










何か、大切なものを忘れているような、
でも何かって…何？





分からない、
彼に出会ってからずっとこうだ.










ぽふんと、枕に頭を沈める.

色々と、考えているうちに夢の中に誘われていた.





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＿＿＿＿ A





誰？










＿＿＿＿ 愛してる










『 ………ッ 』





はっと、目が覚めた.








今の、何？
夢？





眩い光の中に誰かが居た.

顔のところだけ何故かぼんやりとしていて、
誰なのか分からなかった.










でも、あの声は＿＿.





『 …………さ、ねみくん？ 』





なんで、彼が？
電話のせい？











彼が普段着ている服とは大きく違って、





学ランみたいな服だった.
腰には時代劇によく出てきそうな、刀を下げていた.










それに……、


『 ………愛してる…って 』










異性に、
そんなことを言われるのは夢の中でも初めてだ.





初めてなのに、
初めてじゃない.














ずっと前にも言われたことがある、
そんな感じがしてしまうのは一体＿＿＿＿





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