【おそ松さん】猫が人間になったんですけど【一松】

プロローグ ページ1

目つきは悪く、視線も鋭い。
一日中家でごろごろしてるような俺に、友達なんてまずいない。



そんな俺と仲良くしてくれるのなんて、
兄弟以外で猫くらいしかいなかった。





そんな俺は、まぁいつも通りに猫缶を持って路地裏へ向かう。





「…A、」




…我ながら悲しくなるけど、ここの猫は本当に懐いてる。
もう、世話をし始めてからかなりたつし、名前も付けてしまった。
曲がり角でいつも名前を呼ぶ。
そしたら、鳴いてこっちにくる。





…こない。






おかしいな、と思って覗き込んだ時だった。







「あっ、いちまつー！」





.









は？







「いちまつ！ごはん！ごはん！」





猫じゃない。





てか人間だろ。





いつもAがいた場所に、変な人間がいた。





小さい体に、白い短めの髪の毛。
頭からひょこっと飛び出た猫耳が二つ。
そして動く尻尾。




身に着けているのは薄い一枚の布。





「いちまつ…ごはんは？」





気付いたら、俺は見ないふりをして家への方向へと走っていた。

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