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そんなある日のことだった。
今までずっと皆勤だったAさんが休んだのは。
「大丈夫？」って連絡を入れても返信はこなくて。
「なあ、君が目黒くん？」
車に乗る瞬間に知らない男の人に声をかけられ
振り返ると
俺を見る目が明らかに敵意剥き出しで、
その瞬間悟る。
ああ、もしかして、って。そしたら案の定、
「…AAの夫。何の用で来たかわかるよな？」
俺はこくりと頷く。
そしてここじゃなんだからと場所移動。
その先はいつも彼女と行っていたファミレス。
2人の間に変な緊張が張り詰めた。
「……あの、すみません」
「全部聞いてるよ。
君は俺のことなんて聞いていた？」
「……生活での、束縛が、その。すごくて…」
「“ 生活費が少ない ” “ 好きなものが買えない ”…だろ？」
彼女の夫はわかりきった微笑み。
はあー、と静かに息を吐いて髪をかき上げると
目の前のコーヒーを口に含んで喉を上下させた。
「俺はなんもしちゃいないよ。
…意味わかる？全部あいつの虚言てこと。
ちなみに浮気もない。……それが、俺の妻の手口」
ドクンと跳ね上がる心臓。
一気に冷や汗が吹き出して、膝に置いていた手が微かに
震えた。
あの微笑みや身の上話、
俺に見せていた姿、内面は全部、全部、……
「騙されちゃったね。まあ俺も手焼いてんだ」
「……嘘だ」
「嘘じゃねえよ。でも君も既婚者って知ってて手出したんだから、その辺は覚悟しててね」
それだけ言い残して
いつも彼女とどちらが払うかで揉めていた伝票をひらりと取っていく。
1人残された俺は、何も信じることなどできず
ただただ一点を見つめていた。
…ごめんねって、ああ、そういう意味ね。
利用して、搾取して、弄ぶことへの謝罪だ。
彼女が俺の車に残していったあのCDの名は
“
まさにそれは俺以外と逢瀬を重ねた彼女そのもの。
…ならその心を無理にでも奪いに行くだけ。
これで終わりなんて、許さねえから。
＿＿
「ねえ聞いた？…目黒くんの話」
「Aさんと不倫してたってやつでしょ？
旦那さんにバレて、ヤケになって、家に押しかけて
……無理矢理連れ去っちゃったらしいじゃん」
「あの2人やけに親密だったもんね」
「総じて言えるのは…女って………」
End
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ありす - 全部凄く面白かったです！ドロドロ感が最高です！！特に奇術師の愛の地獄がぶっ飛んでいて好きです！！いつも楽しく読ませていただいております！！続き読めたら読みたいです！！いつも楽しい作品をありがとうございます🙇♀️ (7月31日 1時) (
レス) @page50 id: b62757b173 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ゆきさん» ゆき様心躍るコメントを有難うございます😭♡そんな風に言って貰えれば嬉しいなと思って書いていたのです！私自身こんなお話が好みでどうもダークめにしがちなのですが、その部分を共感して頂けているようですごく有難いです。心から感謝です😭♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、お待ちしておりました（笑）とんでもない、ただのカタストロフィなんです😭(?) 3つも挙げて頂けて歓喜です！いつかユッピン様にドロドロが好きでと言って頂けてからこの路線で書いていくことに自分でもハマれました。本当にありがとうございます！♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みりぽんさん» みりぽん様っっ！今回も最後まで見てくださってありがとうございます😭♡ニコイチは現代ぽくない上にぶっ飛びレベルがちょっとアレだったので不安でしたが…。そう言って頂けて本当に良かったです😭ありがとうございます♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - なかさん» なか様いつもありがとうございます！そんなに褒めて頂けて、もう…もう…羽ばたいちゃいそうです😭♡こちらこそ、毎度感動するご感想を送ってくださり心から感謝です！今後もどうぞよろしくお願いします🙇♀️ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年11月6日 6時
