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陽が沈む頃、また2人で電車に乗って
元いた最寄りの駅まで揺れながら戻った。
同じクラスの奴に「てめー今日サボったな」とか
「どこ行ってたんだオラ」とちょっかいかけられて
適当にあしらって、居なくなったらまたスマホゲームして。
ホームに着いて降りると、Aがバイバイと手を振った。
「お前一応地縛霊だもんな」
「でもまた海連れてってね」
「……てか、さ。お前ウチとか来ればいいのに。
そんなところ1人でいんの、……寂しいじゃん」
Aは微笑んだあと、静かにふるふると首を振る。
.
…Aは生きてる時も、今も、
決して俺のことを受け入れはしない。
あの時だってそうだった。
身体を繋げたあの日、俺は、思い切って想いを伝えたのに
Aの答えは……
「辰哉を逃げ道にしてごめん。でも……許して」。
そんな悲しい言葉と突然突き放された現実が
俺の心を空虚なものにした。
俺はそう。幼馴染に都合よく利用されただけ。
友達や彼氏の前では弱いところも格好悪いところも
見せないで、
俺にだけ弱さを見せてくれたのに。
どんなに寄り添っても、守ってあげたいと願っても
結局俺はAにとったらそんなに大した存在じゃなくて
一時心を埋めてくれるだけの、ただの幼馴染にすぎなかった。
.
そう理解した時
俺、分かっちゃったのよ
…Aに嫌がらせしてたヤツの気持ち。
ああ、俺も
分かったら俺さ、……
こんなにしても振り向いてくれないなら、って
手に入らないなら、って
朝の7時を1分過ぎた電車に、Aを…………
＿＿
＿＿＿＿……
ガタン、ガタン、と電車が過ぎ去る音。
ゆっくりと加速していって、くたびれた沢山の人を乗せて、
俺のAへの想いも、心も、
ずっと遠くへ走り去って行った。
「んじゃまたな。また…明日」
「うん、じゃあね」
「風邪引くなよ」
「引けないよ。死んでるもん」
Aに手を振り、背中を向けて歩き出す。
ぎゅうっと胸の奥がまだ痛い。
本当にあの時、一緒に警察に行ってくれてたら
きっと
きっと……こんなことにはならなかったのに。
End
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ありす - 全部凄く面白かったです！ドロドロ感が最高です！！特に奇術師の愛の地獄がぶっ飛んでいて好きです！！いつも楽しく読ませていただいております！！続き読めたら読みたいです！！いつも楽しい作品をありがとうございます🙇♀️ (7月31日 1時) (
レス) @page50 id: b62757b173 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ゆきさん» ゆき様心躍るコメントを有難うございます😭♡そんな風に言って貰えれば嬉しいなと思って書いていたのです！私自身こんなお話が好みでどうもダークめにしがちなのですが、その部分を共感して頂けているようですごく有難いです。心から感謝です😭♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、お待ちしておりました（笑）とんでもない、ただのカタストロフィなんです😭(?) 3つも挙げて頂けて歓喜です！いつかユッピン様にドロドロが好きでと言って頂けてからこの路線で書いていくことに自分でもハマれました。本当にありがとうございます！♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みりぽんさん» みりぽん様っっ！今回も最後まで見てくださってありがとうございます😭♡ニコイチは現代ぽくない上にぶっ飛びレベルがちょっとアレだったので不安でしたが…。そう言って頂けて本当に良かったです😭ありがとうございます♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - なかさん» なか様いつもありがとうございます！そんなに褒めて頂けて、もう…もう…羽ばたいちゃいそうです😭♡こちらこそ、毎度感動するご感想を送ってくださり心から感謝です！今後もどうぞよろしくお願いします🙇♀️ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年11月6日 6時
