0 1 □ 蜉蝣のよう / Orange. ページ2
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「なあ。俺のこと本気って言ってたやん。
…あの言葉ぜーんぶ嘘やったん？」
あまりに突然。
買い物から帰ってきた私を
そっと近づき、ドアを開くその瞬間に
「ええとこ住んでるんやなあ。捜したで、A」と
私を抱きしめながら耳元で囁いた。
瞬間、
ギュッと心臓を鷲掴まれたような感覚。
振り返らなくてもわかるその人の名前を呼ぶと
「ま、とりあえず中入れてくれる？」と怖いほど優しい声。
バタンと閉まるドアの音がしたらば
その瞬間勢いよく壁に迫られ、
バンッ！と顔の横に手をついた彼にニコリと笑いかけられる。
「……こう、じ」
「びっくりしたやろー？
俺もなあ、待ってる間ほんっまにドキドキしたわぁ」
「…な、なんで…何でここにいるの」
「ははっそれ聞く〜？そんなん決まってるやん」
「いまどき金さえ払えば、居場所なんかすーぐ調べられるんよ？」。
信じがたい言葉と共に
柔らかな笑顔で私の写真や住所が載った
1枚の紙を目の前に突き出した康二。
……なんでそこまでするの？
ありえない、こんなの。
……狂ってる。
こんな人じゃないと思ってたのに。
どうしようもない焦燥感と目の前にいる康二への嫌悪感で
ギリッと唇を噛み締めていると
「そんな顔も可愛いなあ、A。ほんまにまた会えて嬉しいわ」と言って康二は私の髪を優しく梳いた。
「しっかしめちゃくちゃいいとこ住んでんねんなあ。
さぞかしお高いんやろ？ここの家賃」
「……」
「ああ、お構いなくー。変なもん入れられても困るし」
リビングのソファに遠慮もなくドカッと座り足を組む
康二にいつもの癖で紅茶を出すとそんな答え。
「っま、Aに限ってそんなことないとは思うけど〜」
なんて軽い調子で笑って紅茶を啜る康二は一息つくと、
部屋をキョロキョロと見回してはふうん、と意味ありげに何度も唸った。
「って…めちゃくちゃ仲良さそうやん。旦那と」
「……」
「俺には…ずっと離婚間近やし、子供もできずで
もうほんっまに最悪ってさんざん嘆いてたのに。
ははっ……なんか色々可笑しない？」
「……ごめんなさい、」
「いや待って、何がごめんなさいか分からんし」なんて言いながらはははと軽く笑う康二の目には全く光が宿っていなかった。
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ありす - 全部凄く面白かったです！ドロドロ感が最高です！！特に奇術師の愛の地獄がぶっ飛んでいて好きです！！いつも楽しく読ませていただいております！！続き読めたら読みたいです！！いつも楽しい作品をありがとうございます🙇♀️ (7月31日 1時) (
レス) @page50 id: b62757b173 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ゆきさん» ゆき様心躍るコメントを有難うございます😭♡そんな風に言って貰えれば嬉しいなと思って書いていたのです！私自身こんなお話が好みでどうもダークめにしがちなのですが、その部分を共感して頂けているようですごく有難いです。心から感謝です😭♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、お待ちしておりました（笑）とんでもない、ただのカタストロフィなんです😭(?) 3つも挙げて頂けて歓喜です！いつかユッピン様にドロドロが好きでと言って頂けてからこの路線で書いていくことに自分でもハマれました。本当にありがとうございます！♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - みりぽんさん» みりぽん様っっ！今回も最後まで見てくださってありがとうございます😭♡ニコイチは現代ぽくない上にぶっ飛びレベルがちょっとアレだったので不安でしたが…。そう言って頂けて本当に良かったです😭ありがとうございます♡ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - なかさん» なか様いつもありがとうございます！そんなに褒めて頂けて、もう…もう…羽ばたいちゃいそうです😭♡こちらこそ、毎度感動するご感想を送ってくださり心から感謝です！今後もどうぞよろしくお願いします🙇♀️ (2021年11月30日 19時) (レス) id: 33b6f5a04f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Haruno
| 作成日時：2021年11月6日 6時
