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僕は隠世維持の為に、嫌でも天皇に在席しなくてはならないから婚約などと言った話は多々あったが…
いつからだろう。
行ちゃんに纏わり付かれるようになってからは婚約の話を全くと言っていいほど聞かなくなった
行ちゃん以外の婚約者の話
『行ちゃん仕事空いてない、きっと。今回も僕が出向くからって伝えれる?』
「んー納得するかわからないけど伝えておくね」
立「そうだ…私も、Aは責任持って看病したからって伝えてくれるかい?」
「うん。喧嘩売るの?」
平然と煙管を吹かす立法に水晶は呆れたように笑った
それから、ハッとしたように声を上げると
「兄者…不調の時は迷わずこっちに帰ること!隠世にとってどれだけ大事なのか自覚して!」
ビシッと指を指して怒った。
その点については猛省してる…つもり
人間の生活に興味があるとはいえ、体調を崩しても構わず居続けたのは隠世の未来を左右する大事件に繋がり兼ねなかったのだから
しかし、何時帰るのかとミツチグラ様に伝言を頼むほど帰って欲しかったのに、強制的にここに残さないのは……
「うふふ。物怪庵にとって良き未来が訪れるって予言だよ、隠世もしばし安定ってね」
『そうか…』
あいつが僕の事を考えての事だったのだろう
そして、その予言は僕がまだ隠世に影響を及ぼさないことを示すから
立法が煙管から口を離し、ふぅ…と息を吐き出した
その顔はおちゃらけた顔ではなく、立法としての顔。
そろそろイツキたちが来ると言った水晶は従者と共に帰り支度をはじめていた
立「水晶を送ったら、私達も下に降りようか」
『そうだね』
窓から飛び立つ水晶を見送る
その先に小さく見えるのは僕の育った家。
僕達は父以外だけれど羽が生えているから、比較的安全な空に、雲の上に家を建てた
天皇として全てを見渡し安全を見守る意味も込めて
「…A。次は絶対、強制送還だからね。」
僕より一際小さな羽を懸命にばたつかせながらそう言い残す弟
『気を付けるよ』
「じゃ、またね!いつでも従者呼んで帰って来なよ!」
立「その時は私も御一緒しようか」
「立法はいらなーい」
立が酷いな、と言いながら笑う
最後に皆笑って笑顔で見送った
僕の心は対象的だったけど…
いつか再び、両翼で飛び立てることができれば良いのにと、後ろ姿を見ながらそう願った
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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い!;;暖かなコメ有難う御座います!まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします! (2017年10月15日 10時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです!更新頑張ってください!!(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います!確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー`*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ!!面白いです!更新頑張って下さい!僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) シ ョ ホ ゙ ホ ゙ ホ ゙ ー ン (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷夜猫 x他1人 | 作成日時:2017年4月1日 8時