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月の光が僕らを照らす

満ち溢れる妖気に、今宵が満月である事を思い知らされる。
気を抜いたら呑み込まれてしまうようなソレと、狐の隠れん坊に僕は戦っていた。



晴「無理するな。」

『優しさ…イメージ……そっと触れ…』


ピシッ


『あ』

「わぁぁぁ!!!近くにいたらボクまでああなっちゃうよ!!」

『見つけた』



墓石に触れるだけでもヒビが入るほどの妖力に、隣で墓石に化けていたヤヒコがたまらないと言った風に飛び出してきた


力のことはこの際、結果オーライ。次気を付けよう。


悔しげにもう一回!と姿を消したヤヒコを後に、イツキはため息を溢した

何度目の隠れん坊だろう
そして何個目の墓石被害だろう…墓石以外もあったかも知れない



晴「Aはとりあえず危険だから何も触れるな」

『うん…』



残念…

辺りを破壊するよりかは何もしないほうが利口な判断だろう

僕は近くにハナエの気配を感じ取ったので、禅子と一度迎えに行くことにした



暗い墓地というのはやはり雰囲気がある

あちらで頭を抱えてうずくまるハナエを見つけて思わずプッと吹き出した。



禅「妖怪は良くて、幽霊はだめなんだ」


私達を見つけたハナエがふりかえる


芦「あ…禅子いた…まだ隠れんぼやってるの?」

『こっち』




ついてきて、と墓地の所まで歩くと苦笑いを浮かべたハナエが何故こんなところでやってるの?と一言


全く持って同感な話なのだが、ヤヒコは広い所が良いと墓地以外の場所を譲らなかったのだ



『僕、今から見学……ハナエとバトンタッチ…』

芦「ええっ?」

『頑張れ』

芦「他人事!?いやこれは仕事放棄!?」



僕にツッコミを入れるハナエから、少し離れた場所でイツキが1つの墓石に目を留めた



晴「見つけた」



ハナエが不思議そうに見つめる中でその墓石は揺れ動き、やがて煙を上げて姿を変えた

現れるのは良く知る狐の妖怪、ヤヒコ。

…イツキは忘れてしまっているみたいだけれど、昔確かに会った事がある



懐かしいなぁとあくびを1つかみ殺した


僕が参加しても意味がないこのゲーム…
だったら、少し眠っていても良いだろうか



僕は光の当たらない木陰に腰掛け目を瞑った


月明かりは葉の分け目から零れ落ちて、僕をまだらに照らしては雲の影に隠れていた




これは満月の夜の事…。

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氷夜猫(プロフ) - 凛歌さん» 返信が遅れて大変申し訳無い!;;暖かなコメ有難う御座います!まだ見ていて下さるのならばこれからも何卒宜しくお願いします! (2017年10月15日 10時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
凛歌 - 友達から勧められて読んでみたんですが、とても面白かったです!更新頑張ってください!!(^^)y (2017年8月8日 16時) (レス) id: bd63f33454 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜猫(プロフ) - 翔也さん» 暖かなコメントを有難う御座います!確かにあまり知られてないですよね…そのお気持ち分かります(´ー`*) (2017年5月20日 15時) (レス) id: 733ee73110 (このIDを非表示/違反報告)
翔也(プロフ) - モノノケ庵なのじゃぁぁぁぁ!!面白いです!更新頑張って下さい!僕の周りにモノノケ庵知ってる人少なくて悲しい. : * ~ * : . _ . ( 寂 ´ ・ ω ・ ` 、 ) シ ョ ホ ゙ ホ ゙ ホ ゙ ー ン (2017年5月12日 7時) (レス) id: 8a71459d56 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:氷夜猫 x他1人 | 作成日時:2017年4月1日 8時

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