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「世界はおまえがいなくても廻るけど、私はおまえがいない世界なんていらないよ」


 雨が降っていた。明るく地を照らす筈だった太陽は雲になりを潜め仕事を放棄し、跋扈する者を放置している。

 ぽつり。

 1× × × 年──◯◯国、△△州、カーウィッチ区。
 数十年前からこの世はレムレースどもに夜を貪られるものとなった。どろどろと腐敗臭を撒き散らし、判別もつかないようなおぞましい呻き声を地に侍らせて我が物顔で自らの残骸を不法投棄しながら醜く這い蹲っている。
 まあ、だから、掃除屋が現れるだなんて至極当然だろう。最初は媚びたように、戦わずに敗北したように、隷従したように生を終えた残骸を清掃するだけであった。それもいつかは意識が代わり──まるで一丁前のプロのように気取ってはレムレースを駆除するようになった。
 駆除、清掃。なんだ、害獣と変わりない。

 死と隣り合わせであるが、誰よりも感謝される職で。
 感謝目当てではなく謝礼目当てに飛び込んだ、私の。

 カーウィッチの掃除屋、と称された人生。
 そして、私の隣にいた一人の人間のことを。執筆状態:連載中




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作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作成日時:2022年6月17日 22時

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