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『えっ神楽ちゃん?』

咄嗟に覚えていた名前を口に出す。
まあ、歌舞伎町を案内してもらった仲だ。
名前くらいは覚えて当然だ。

『お久しぶりだね、元気にしてた?』

と決まり文句を告げた後、さて、返答次第では
今日の予定が狂うぞ、と顔には出さないが
かなり考え込んでいると、直ぐに返事が
返ってきた。

しかもかなりでかい声で。

「あーーー!!思い出したネ!
Aダロ!!」

そうと決まれば彼女の質問攻めは止まることを
知らない。

「今まで何してたネ、
全く見ないから心配したアル!
ていうかご飯ちゃんと食べてるアルか?
とにかく今から万事屋に来いよ!
ふりかけご飯ご馳走するアル!」

『あーあー、分かりました!
分かりましたからちょっと待って!』

ふふっ、と可愛く振り返る彼女。

「これで私たち、友達アルね」

友達。友達。
今までこんなこと1回も言われた事がない。

その響きを噛み締めながら笑う。


と、一歩踏み出す瞬間。

暑い。暑い。暑い暑い暑い

『暑い、焼け死ぬ』

座り込む私に足早に駆け寄りまたもや
不思議そうに覗き込む神楽ちゃん。

「大丈夫アルか?」

『うん、私こう見えて社会人だから
こういうの慣れてる慣れてるー』

すると、私の上に自然と日陰が出来る。

「無理するなヨ
Aも夜兎なんだから、
傘ささないと死ぬアル。
Aはうちの兄貴にちょっと似てて
危なっかしいネ」

そのまま傘屋に連れて行ってもらい、
そこで私の奢りで日本産の番傘を
作って貰った。

日本の傘は丈夫でちょっとやそっとでは
壊れそうにない。

『へぇ、地球の傘は結構使いやすいんだね』

「そうアル!私の傘もここで作って
もらったアルヨ」

よく見ると彼女の番傘は少し持ち手が幼い。
そこだけは傘の柄や銃口より一際
汚れていた。

『その傘の持ち手は、大事なの?』

彼女はハッとしたように持ち手と私を
交互に見たあと、悲しそうに笑った。

「そうアル
最初の傘はパピーがくれたアル」

これ以上聞いてはいけない気がした。
そろそろ約束の時間だろうし、
帰ることにしよう。

『、、そっか。
大事にしてね』

「、、、?
なんで、こんなにたくさんの饅頭、!」

彼女の手元に3人でも食べきれないほどの
饅頭を置いておいた。

『じゃあね、歌舞伎町の女王さん。
傘のお礼の饅頭は、家来と仲良く食べてね』

「なっ、、待つアル!」

彼女は呼び止めには反応せず、
風のように去っていった。

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アイリス(プロフ) - 続き待ってます! (2021年8月20日 21時) (レス) id: 45e9dfc0f9 (このIDを非表示/違反報告)
さや(プロフ) - 真由さん» うぁぁ、ありがとうございます!他の表現で書こうとして諦めてそのままだった覚えがあります。気づいて報告して下さるなんてとても心優しい方ですね、違和感感じさせてしまいすみません! (2019年4月26日 21時) (レス) id: ffd4c8541f (このIDを非表示/違反報告)
真由(プロフ) - すいません。8話め 頭抱えて笑うじゃなくて腹を抱えて笑うじゃないでしょうか? (2019年4月26日 20時) (レス) id: 4fa1d4dcbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さや | 作成日時:2018年11月26日 0時

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