花火17 ページ17
蓮「っ、」
(走って近寄る)
蓮「目真っ赤じゃん。....なんで？」
大「....(下を向く)」
蓮「足、怪我してる、」
(しゃがんで絆創膏をはる蓮)
大「ぇ、絆創膏なんて、普段持ってないじゃん、」
蓮「家出る時、つかんできた。
...浴衣で行ったって、母ちゃんから聞いたから。」
大「...ありがと、」
サー (雨の音)
大「蓮、ごめんね？毎年、俺と花火大会、嫌だったんでしょ？
おっきくなってからも、兄弟と花火なんて、
やだよね、普通。
何で気づかなかったんだろ。」
蓮「そんなわけ、...ってか、何で1人？」
大「....俺、酷いことしてたの、
利用してたみたい、ひかるのこと。
こんな長くいたのに、分かってなかった、」
ポロポロと流れてくる、大介の涙を拭きながら、
俺も泣きそうだった。
大介は、毎年楽しみにしてて、
今日なんて浴衣まで着て、髪は普段やらないアップにしてて。
雨で濡れちゃったけど、
(手を伸ばして、髪を直す蓮)
蓮「何があって、こんなことになってんの....？」
怪我してたのは、予想通り。
....大介こんななのに、あいつは何してるんだろう？
大「ぐすっ、」
(隣に座る蓮)
蓮「大介、」
大「ニューヨークも、俺、いけない、」
蓮「何の話？」
大「でも、ひかるは、来て欲しいって、」
俺はまだ子供で、大介とひかる君が何を話してたのか、分からなくて、
こんなことしか、言えなかった。
蓮「...ニューヨークって、アメリカでしょ？
....第一志望の会社、...あんなに頑張って内定とったのに、
....辞めろってこと？.....何なの、それ。」
大「...」
蓮「分かんないけど、...俺なら、大介が楽しみにしてる日に、
悩ませること言ったり、
泣かせたりしない、絶対。
大介のやりたいこと、尊重するし、
好きなことして、たくさん笑っててほしい。
いや、笑っていられるように、支えるし、俺が。」
大「....？」
蓮「何言ってんだろ、俺。
.............もちろん、弟、として、だから...」
大「うん、..分かってるよ？」
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作者名：Aries | 作成日時：2021年8月21日 20時
