めめさく短編2 (ページ7)

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2人の仕事＊畳の楽屋＊3 ページ7

「どうかした？仕事で、何かしちゃったとか？...相談のるよ？」

「ちょっと.......失敗した、かな......」

「え！うそ？そんな風には、見えなかったけど。どの部分？」

「いや、全体的に集中力に欠けてた。監督さん的にはオッケーにはなってるけど、
コンマ数秒、みんなより反応遅れてる箇所が、何個もあって。
みんなも気づいてると思う。明日、謝ってくるわ。」

「気づいてあげられなかった....ごめん。」

「なんで、佐久間くんが謝るの？」

「ちゃんと見てあげられてなかったな、って。」

「へ？うそ...佐久間くん泣いてんの？」

「泣いてない、泣いてない、」

「....佐久間くん.....」

目黒side

俺の些細なミスを、なぜか自分のミスみたいに思って、責任を感じた佐久間くん。
もうオッケーが出てるから、撮り直すこともないんだけど、
プロとしては、悔いが残る部分があって。
メンバーみんな意識高いから、小さいことも気になって。

うっかり、佐久間くんに言ってしまった。
言ったら、優しい彼は、こうなるだろうって、分かってたのにな。

どんどん大きな目に涙が溜まっていくのを見て、いたたまれない気持ちになった。
ティッシュ、ティッシュ。

「佐久間くん？拭いたげる。」

「あ、いいよ。俺何で泣いてんだろ。ごめんね？」

「....終わった話なのに、こんな話してごめん。
　佐久間くんのせいでもなんでもないのに、つらい気持ちにさせて、ごめん。」

「んーん。明日は....悔いが残らないように、一緒に頑張ろね？」

まだ涙目の佐久間くんが俺に笑いかける。

すごい綺麗だなって。
佐久間くんが俺から目線を外した後も、横顔をずっと見ていた。

今日は、キスどころではない。

俺のせいで、泣かせちゃったし、家まで送って、すぐに帰ろう。

「そうだ、やっぱ、俺のせいだよ。
ちゅーしてあげなかったから。だから、集中力なくなったんじゃない？」

「は？」

「しまった、そうじゃん。あんなにしてって言われてたのに、してあげればよかった...。」

「あの....佐久間さん？さすがに、俺プロだから、そんな理由で失敗してたら、キリがないよ？」

「ごめん、めめ....やっぱ、俺のせいだわ。」

「違うよ？ぜんぜん違うよ？」

「ううん、めめ、明日も大事な撮影あるし、今日はちゅーしてあげるね？家行くんでしょ？」

「いやぁ、その、ま、じで？」

「うん、明日もめめが悩んじゃったら大変。上手くいくように、してあげる！」