めめさく短編2 (ページ23)

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これは本当、それは嘘。5 ページ23

「.....今日誕生日でしょ？」

「っ、知ってたの？」

「初めて会った日に、言ってたから。....いつも1人だったって。」

「....う、ん。」

「今年は、俺が、いるよ？」

「.....ありがと...ぅっ」

「泣くなよ、もっと高いネックレス、今度買ってやるから。あと、これも。」

「ぁ、...ケーキだぁ、なんで？」

「なんでって、普通の家族って、誕生日に、ケーキ食べるんでしょ？
　そんくらいは、知ってる。俺でも。」

「...ありがとね？」

「どれがいいか分かんなくて、イチゴの、普通のやつにしちゃったんだけど。」

「嬉しい、」

「23本、ろうそくもらってきた。」

「ふふっ、全部さしたら、ケーキぼろぼろになっちゃうよ？」

「そっか、多すぎか、ごめん」

「うううん、全部さそ？せっかくもらってきてくれたもん。」

＊

「蓮、もう寝よっか。」

「ん、大介、おめでとう。」

「ありがとう、幸せな1日だった。」

「これからもそばにいてよ。」

「....う、ん。」

「もっとくっついて？」

「あ、待って？近いよ...」

「いいじゃん。髪少し伸びた？」

＊

「....蓮？....眠れないの？」

「....大介、好きだよ、」

「...ん、れ、っ、」

＊

少し肌寒い。
あれ....腕の中にいたはずなんだけど、な。

「大介？」

ベッドにいなくて、キッチンにもいない。
あ、シャワーか。

いや、いねーわ。

大介、どこ？

.....嫌な予感がよぎる。

「あっ....」

大介の服もカバンも、靴も、
部屋を見渡すと、大介が使っていたもの、
全てがなくなっていた。

っ！

そういえば、連絡先知らない。
携帯なんて、持ってなかったしな、あいつ。

どうしよう、実家こそ知ってるけど、
事情が事情なだけに、易々とは行けない。
それに、実家には帰らないと思う。俺の直感では。

大介が、さっきまで使ってたクッションを抱えると、
ぺらっと何かが落ちた。

....封筒？

『俺は、本当に好きだった。ありがとう。』

中には、小さいカードが一枚。大介の可愛い文字.....。

コンコンコン

「警察です。中にいますね、目黒蓮さん。」