＃20.熟れた果実に塩は不要 11/5↓ ページ32
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「てんちょー！次はハイボールぅ！」
何がどうしてここまで酔っ払ってしまったのか。
それは右隣に座るカズくんのせいである。上手い具合にのせられた。
「あーあーあー、Aちゃん出来上がっちゃってるじゃん」
智くんが呆れたように私を見下ろす。その顔、久しぶりに見たかも。
「Aちゃんって酔ったとき、俺のこと“てんちょー”って呼ぶんだよねぇ」
「てんちょーハイボールだって！早くぅ！」
「もうだめだよ、何杯飲んだと思ってんの。もうおしまい」
「まだまだ飲めるもん！」
まるで聞き分けの悪い子供に説教しているみたいな口調の智くん。そんな智くんも久しぶりに見たかも。
つまり私は久しぶりに飲み潰れたってことだ。ここにきてやっと気付く。遅い。
「いやー飲ませ甲斐のある子だね、Aちゃん」
カズくんがほんのり赤くなった頬を緩らかに上げ、クスッと楽しそうに笑った。
子犬みたいな顔が、さらに子犬みたいで可愛いらしいけど、この人は私を面白がって楽しんでいた。
でも楽しかったからいっか。アルコールの効果で、浮かれ気味。
「和也、飲ませすぎ。Aちゃんものせられすぎ」
心配そうな表情の割に声色は尖っている翔くんに、カズくんが「翔さん、Aちゃん家まで送ってあげてね」とどこか企みのある表情を浮かべ、そう言った。
「え、俺が送ってくよ？」
智くんが当然のことのように口を挟めば、透かさずカズくんは「おじさんは黙ってて」と強めに言う。
その言葉に、「あ」と智くんは何かを思い出したかのような顔をした。そして二人で目配せをした。
「じゃあ翔くん、Aちゃんよろしくねぇ」
クラクラの頭を抱えながらも、その仕草に違和感を抱いていれば、にこやかに笑いながら智くんはそう言い残して、厨房に戻って行った。
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にゃん(プロフ) - 続きを書いて下さってありがとうございます。足が遠のいたり書けなくなる人の気持ちも分かるので更新して頂けると凄く嬉しいです(*'▽'*)♪ (2022年11月27日 0時) (
レス) @page36 id: b010e36986 (このIDを非表示/違反報告)
みかぽ(プロフ) - 更新めちゃくちゃ嬉しいです！！待ってました！！またゆる〜く待ってます♪ (2022年11月7日 0時) (レス) @page36 id: 8aa8752128 (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 待ってる人ちゃんといますよ！更新ありがとうございます！ (2022年11月6日 12時) (レス) @page36 id: 2ec53b58cb (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - 妃紀さんお久しぶりです。更新ありがとうございます🤗とても嬉しかったです👏👏😍 (2022年11月6日 9時) (レス) @page36 id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
やっち(プロフ) - 今晩は。続きが読みたいです (2021年10月23日 22時) (レス) @page32 id: cc7865b69e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃紀
| 作成日時：2019年8月25日 22時
