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「ちょっと私トイレ行ってくるね！」
「ああ、了解。あ、荷物持っててやる」
「あ、ありがと」
お手洗いに行きたくなって、ちょうど歩いているときに見えた化粧室に立ち寄ることに。
私が手に持っているショッピングバッグを、潤くんはサラッと奪い取って、「ココで待ってる」と化粧室の近くで待ってもらうことになった。
こういう少しの気遣いが出来る潤くんって優しいなぁ…と改めて思ったり。
ただの幼馴染相手にもこういう態度が取れる潤くんは、彼女相手にはもっと優しいはず。
休日ともあって、化粧室は混み合っていた。体感的には５分程度は並んだ。
用を済ませて、化粧が崩れていないか確認して、化粧室を出た。
化粧室を出て潤くんの元へと駆け寄れば、潤くんは誰かと話をしている様子だった。
潤くんよりも小柄な背丈の男の人。知り合いかな？友達？
近付いて、「潤くん？」と声を掛ければ、潤くんよりも先に私に気付いた小柄な彼が、パッと振り返った。
「あ、もしかして潤くんの彼女？」
そして、パチリ、と目が合って、その彼は私の顔を見てそう言った。
色が白くて、肌が綺麗で、髪の毛も柔らかそうで、全体的に色素の薄い男の人は、女の子のようで可愛いらしい雰囲気。
男の人にしては声が高い印象。身体の線も細い。
「バカちげぇよ。こいつは幼馴染」
彼女？と訊かれて、瞬時に反応出来ずにいれば、透かさず横から潤くんが口を挟んできた。
その声に、私を見ていた彼の目が潤くんへと移る。
「えーなんだ、潤くんの彼女かと思った」
「つか、俺最近別れた」
「え？そうなの？」
「うん。まあ」
「そういうことは俺にすぐ話せよ。水臭いなぁ。俺と潤くんの仲だろ？」
「いやお前言うほど興味ねぇだろ。つーかどんな仲だよ」
潤くんの友達かな？類は友を呼ぶ、というように、彼も潤くんのように端正な顔立ち。
潤くんのようにキリっとした濃い顔ではないけど、綺麗な顔をしている。
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作者名：妃紀
| 作成日時：2018年12月2日 19時
