ｰ 参拾玖 話 ｰ ページ40
図書室から出て、再び静まりかえった廊下を歩く。
不思議と先程までの恐怖は殆ど無かった。コネシマさんのおかげと言っても過言ではないだろう。
そして、手は繋がなくとも隣を歩くゾムに問いかける。
｢ゾム、一つ目の七不思議って｣
｢ん、庭やな｣
私が言うより先に彼は言った。
庭ということは、外ということか…。
｢にしても光る花って、ちょっと気になる…｣
｢お、びびらんのやな｣
ゾムは軽く笑った。
コネシマさんの話を聞く限りだと、悪い何かが居るわけでも無さそうだし。
階段をかけ下りて、中庭に続いている扉の鍵を開ける。
外に出ると、少しだけ風が吹いていた。
外気に触れるとやはり少し肌寒く感じる。
｢…そういや、コネシマさんが名前呼べって言ってたよね｣
｢んー、せやな。まあとりあえず近くの方行こや｣
そう言ってゾムは先を歩き出す。
待ってと言わんばかりに彼の背中を追いかけた。
.
｢ねえゾム｣
｢見たところ、普通の花壇やんな｣
またしても先に言おうとした事を言われた。
花達を目の前にして、私は疑問を抱く。
｢光る…どの花が？｣
｢普通見ただけで分かると思うんやけど…無駄に広いねんな｣
ゾムはしゃがんで目の前の花に触れる。
何ら変わりない、ただの花にしか見えない。
｢…とにかく探してみたら何かわかるかもしれないし、向こうの方見てくるね｣
｢おっけ、俺もこっちらへん見てみるわ｣
そう言ってゾムとは反対側にある花壇を覗き込む。
やはり何ら変わりない、ただの花だ。
｢…本当に光るの…？｣
訝しげな顔で呟き、先程のゾムと同じように花壇の前にしゃがみこんで目の前の花に触れる。
｢＿＿＿＿ぅ、わっ、！？｣
刹那、花が光へと姿を変えた。
まるでその光は蛍のように、ふわふわと浮いて、直に消えた。
｢な、なにこ、れ…｣
思わず手を引っ込めてしまったが、間違いなく今花が光って…消えた、だと…？
｢どした？なんか見つけたん？｣
｢ぞ、ゾム…！ここの花、さっき、光って…｣
そう言って花を指をさせば、ゾムは首を傾げた。
｢どれやねん…これ？｣
ゾムがしゃがみこんで花に触れる。
しかし、当たり前のように何も起こらないそれを、私は愕然として見つめていた。
｢…え、いや、でも今…｣
そう言って、再び隣に咲いている花に手を触れる。
｢！｣
｢え｣
.
＿＿＿＿私が触れた花は、また光へと姿を変えて、消えた。
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汐里(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます(^ ^) ほんとはhtrnさんも出したかったんですが、人数の都合上で...汗 楽しんで頂けたら幸いです！これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月23日 11時) (
レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 花が好きなの、hらんらん先生や無かった…意外…でもrbさんに花持たせたい…絶対かわいい……ﾆﾖﾆﾖ(( 続き楽しみにしてます！ (2019年11月23日 11時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - saikaさん» コメントありがとうございます(^ ^) 確かに和風あまり見ないですよね...完全に私の好みを小説にしてしまいました笑 お褒め頂き光栄です！これからもこの作品をよろしくお願い致します（-人-） (2019年11月22日 18時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
saika(プロフ) - コメント失礼します....！wrwrdの作品で和風系の作品はあまり見ないので凄く新鮮で面白いです.....！登場人物の描写からなにから何までとても好きです.....！これからも頑張ってください!!!! (2019年11月22日 17時) (レス) id: dff2d77afc (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます(^ ^) お褒めの言葉を頂き光栄です...！励みになります。これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月10日 7時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐里 | 作成日時：2019年11月8日 19時
