ｰ 拾漆 話 ｰ ページ18
｢ま、そういうことでやな…｣
コネシマさんはゆっくりと立ち上がり、私を見下ろす。
その際に目に入った鎖がやけに痛々しく思った。
そんな私の視線に気づいたのか、彼は｢ん、これか？｣と言って鎖を持ち上げた。
｢ほんま重くてかなわんわ、これ｣
そうして自虐的に笑う彼を見ているとやはり、心が痛むのだ。
｢その鎖、外せないんですか？｣
｢まあな、俺の力だけじゃ無理や｣
はぁ、と力なくため息を吐くコネシマさん。
すると黙っていたゾムが突然話しかけてきた。
｢その事で、Aに頼みがある｣
私をじっと見据えるゾム。
また、そんな顔して。
ゾムの真剣な顔は調子が狂うからやめてほしい。
｢コネシマに力を貸してやってほしい…Aにしか、出来ん事なんや。｣
｢私にしか…？｣
彼の真剣な顔に対して困惑した声でそう呟くと、｢そうや｣と表情を崩さないまま頷かれた。
｢…俺を、助けて欲しいんや、A｣
寂しそうな声で、コネシマさんがそう言った。
私は彼の眼差しから、目をそらす事が出来なかった。
だから私は、無意識的にも｢…私に出来ることなら、｣と言ってしまったのである。
.
｢まあとりあえず、俺の話からしてもええか？ ｣
こほん、と一つ咳払いをして言うコネシマさんにゾムが｢待って｣と制止をかける。
｢A時間大丈夫か？ま、俺が送ってったるけど…｣
｢まだ部活してる子もいるし、大丈夫だよ｣
そう言えば｢そうか｣と言ってコネシマさんを見て頷く。
｢まあ、簡潔に言うとやな…俺のこの鎖は、俺の未練が具現化されたもんやねん…｣
｢…未練？｣
私がそう聞くとコネシマさんは｢せやねん｣と深く頷いた。
｢お前は、この学園の七不思議、聞いたことあるか？｣
コネシマさんの問いかけに思考を巡らせる。
私がこの高校に来て約2年が経とうとしているが、そんな話があっただろうか？
そもそも私には友人が少ない。そんな他愛もない話をする人も居ないのだ。
｢一番有名なんが、2年2組の教室の窓から見える、屋上から飛び降りてくる人間の影、やで｣
｢飛び降り…ッ！？｣
横からゾムが突拍子もなく物騒な事を言うものだから驚いて動悸が激しくなる。
｢あれ、知らんかった？これなら知っとると思ったんやけど｣
ゾムはうーん、と唸り始めたのを見て深く深呼吸をしてから、再びそれらしい話を聞いたことがあったかと思考を巡らせた。
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汐里(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます(^ ^) ほんとはhtrnさんも出したかったんですが、人数の都合上で...汗 楽しんで頂けたら幸いです！これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月23日 11時) (
レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 花が好きなの、hらんらん先生や無かった…意外…でもrbさんに花持たせたい…絶対かわいい……ﾆﾖﾆﾖ(( 続き楽しみにしてます！ (2019年11月23日 11時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - saikaさん» コメントありがとうございます(^ ^) 確かに和風あまり見ないですよね...完全に私の好みを小説にしてしまいました笑 お褒め頂き光栄です！これからもこの作品をよろしくお願い致します（-人-） (2019年11月22日 18時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
saika(プロフ) - コメント失礼します....！wrwrdの作品で和風系の作品はあまり見ないので凄く新鮮で面白いです.....！登場人物の描写からなにから何までとても好きです.....！これからも頑張ってください!!!! (2019年11月22日 17時) (レス) id: dff2d77afc (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます(^ ^) お褒めの言葉を頂き光栄です...！励みになります。これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月10日 7時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐里 | 作成日時：2019年11月8日 19時
