ｰ 拾 話 ｰ ページ11
あれから少しだけ会話をして、立ち上がる。
｢そろそろ失礼しますね｣
｢いっつもわざわざすまんな｣
彼に目を向けて同時に目線をずらすと、揺れていた尻尾は下がっていた。
寂しいんやろか、と考えるも その疑問を彼にぶつければ、その尻尾は今と真逆になる気がすると思ってやめた。
鏡扉から出て、隙間から見える彼に手を振り、鏡を元に戻す。
そして部屋から出て鍵を閉め、職員室に戻った。
｢…しっかりせんと｣
無意識に拳を固く握りしめ、呟いた。
.
あれからゾムと別れ、私は塾へ向かう。
コンビニで夜ご飯を買い、自習室に立ち寄った。
本来ならいつも勉強が捗る筈なのに、
何故かずっとあの祠の事を考えてしまう。
(ほんとに気のせいだったのかな…)
シャーペンをくるくる回して、そんなことを考える。
部屋を出ようとした時、私は微かに鈴の音を聞いた…ような気がする。確信ではないが。
1度考え出すと止まらないし、気になって仕方がない。
その時ふと、ゾムの “もう一度、行ってみるとええかもな” という台詞を思い出した。
ゾムもゾムで、何故あんな表情をしていたのか個人的に気になっていた。形容しがたいが、強いていえば、まるで何かを懐かしむかのような、そんな顔。
(もう一度行ってみるかぁ…)
そう心に決めた私は、やっとシャーペンを回すのを辞めてしっかりとペンを握ったのだった。
.
｢またねー｣
｢お疲れ、また明日｣
そんな会話が飛び交っている中、足早に塾を出た。
迎えに来ている車に乗り込めば、母が｢お疲れ様｣と言ってくれた。
｢お母さん、私明日早めに学校行くから｣
｢あら、何時くらいに家を出るの？｣
｢7時ぐらいかな｣
そう言うとお母さんは｢分かったわ｣と言って、車を走らせた。
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汐里(プロフ) - 夢花(仮垢)さん» コメントありがとうございます(^ ^) ほんとはhtrnさんも出したかったんですが、人数の都合上で...汗 楽しんで頂けたら幸いです！これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月23日 11時) (
レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
夢花(仮垢) - 花が好きなの、hらんらん先生や無かった…意外…でもrbさんに花持たせたい…絶対かわいい……ﾆﾖﾆﾖ(( 続き楽しみにしてます！ (2019年11月23日 11時) (レス) id: 1ce7d18474 (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - saikaさん» コメントありがとうございます(^ ^) 確かに和風あまり見ないですよね...完全に私の好みを小説にしてしまいました笑 お褒め頂き光栄です！これからもこの作品をよろしくお願い致します（-人-） (2019年11月22日 18時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
saika(プロフ) - コメント失礼します....！wrwrdの作品で和風系の作品はあまり見ないので凄く新鮮で面白いです.....！登場人物の描写からなにから何までとても好きです.....！これからも頑張ってください!!!! (2019年11月22日 17時) (レス) id: dff2d77afc (このIDを非表示/違反報告)
汐里(プロフ) - あややさん» コメントありがとうございます(^ ^) お褒めの言葉を頂き光栄です...！励みになります。これからもこの作品をよろしくお願いします（-人-） (2019年11月10日 7時) (レス) id: 4d2571021c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：汐里 | 作成日時：2019年11月8日 19時
